東京大学情報学環の校舎である、福武ホールが本郷キャンパスに完成しています。
同大の教授も務めた安藤忠雄の設計によるもの。
地下を利用しているので、ぱっと見た感じは、あまり大きな建物には見えませんが、国際遠隔授業なども可能な教育、研究の施設であると同時に、カフェなども入っているそうです。
『
東大キャンパスに"縁側" 安藤忠雄設計「福武ホール」完成』(イザ)という記事から。
建築家、安藤忠雄が設計した東京大学大学院「情報学環・福武ホール」が完成した。東京・本郷キャンパスの赤門わきにある横長の建物(地上2階、地下2階)で、その形状は京都の三十三間堂を連想させる。日本の伝統的な「縁側」がキーワードなのだという。
(中略)
情報学環は横断的な情報研究や教育を行うための大学院。専門分野にとらわれずに人や情報が行き交う「学びと創造の交差路」がコンセプトだけに、安藤は「みんなが入りやすく、対話しやすいよう心がけた」と話す。そこで、気軽に人が出会い、会話のできる「縁側」の概念を取り入れたという。(堀晃和)
(後略)
この建物は、「福武ホール」という名前からもわかりますが、(株)ベネッセコーポレーションCEOの福武總一郎氏からの、16億5千万円の寄附を基に建てられたものです。会社からの寄附ではなく、個人での寄附。すごい額ですね。
福武氏自身の出身大学である早稲田大学や、ベネッセの地元岡山にある大学は、複雑な思いで見ているのではないかと、ひっかかるところはあったりしますが、それは横に置いておきましょう。
東大のHPの中に、
福武ホールのページがあります。
縁側がコンセプトというのは、いいですね。
もともと、日本の建築は、縁側に限らず、外と内との境界線をあいまいにするようなものが多いですね。
屋内でありながら、地べたでもある土間や、視線を遮りながらも開放されている格子戸などが、例としてあげられます。
表参道ヒルズのように、道路に面した線形状の土地で、この福武ホール自体が、キャンパスと外とをゆるやかにつなぐ縁側となる、そんな意味合いがあるんでしょうね。
でも、道路側は、さすがにがっしりとコンクリートの塀で遮られています。
ここで、外部からの視線を意識して、もうひと工夫が欲しかったですね。
また、この建物を利用するのは、情報学環ということですので、文系と理系をまたぐ、境界線のあいまいな学際系のこの分野の特性をあらわしているとも考えられます。
そういう、意味性のあるコンセプトには好感が持てますね。
ただ、安藤忠雄氏の建築の特徴の一つである、コンクリートの打ちっぱなしは、私自身はあまり好きではありません。なんだか、その冷たさ、硬質感が、妙に緊張を誘うんですよね。
学問という場においては、その緊張感が良い方向に影響を及ぼすと良いですね。
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