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競争的資金の一部を奨学金に

<教育再生会議>「競争的資金」の一部を奨学金に、提唱へ」(毎日新聞)という記事から。
 政府の教育再生会議は月内にまとめる第2次報告で、研究テーマごとに国が大学に支給する「競争的資金」の一部を学生への奨学金に充てることを可能とする新制度を提唱する。学生獲得の経済的支援を拡大し、大学ごとの競争を促す狙い。認められれば、大学院生の積極採用や他大学との人材交流の活発化につながるとみられる。

基本的には大学院レベルの話だと思います。
現状では、一時雇用の研究者に人件費として使用することは認められているが、学生には直接奨学金として支払われることはないとのこと。

どうやって支払われることになるのでしょうか。
奨学金自体は、大学を通して支払われることになるのだと思います。
それを、どう学生に還元するのかは、大学の裁量になるのでしょうか。
「このテーマを研究する人には奨学金が出ます」
「この研究室に所属する人には奨学金が出ます」
「この研究科に所属する人には奨学金が出ます」
どうなるんでしょうね。

「学生採用」「人材交流の活発化」が見込まれるということは、学生募集の目玉にならないといけません。
でも、研究そのもののクオリティを上げるためには、ただその研究科に属しているというだけでなく、その中でも成績・実績により給付の仕方を変える、つまり学生にも競争させるという方法もあると思います。

定年年齢を引き下げる東大先端研

東大:先端研だけ教授の定年引き下げ、65→60歳に 人事や研究の活性化狙い」(毎日新聞)という記事から。
 東京大先端科学技術研究センター(先端研、東京都目黒区)は25日の教授会で、先端研に所属する教授の定年を今年度から60歳とする方針を決めた。東大は教員の定年を65歳まで延長する計画を進めているが、先端研だけは事実上の引き下げとなる。ベテラン研究者の働き方を多様化する一方、人事の停滞をなくし、先端分野の研究を活性化させる狙いがあるという。

 東大教員の定年延長は01年度に始まった。60歳定年を3年に1歳ずつ引き上げ、13年度には65歳定年とする計画で、現在63歳まで延長されている。しかし、先端研は、定年を延長前の「60歳」に戻し、内規にも明記する。


一般的に世の流れとしては、定年年齢の引き上げ(60才→65才)でしょう。
そうでなければ、再雇用制度を用意しなければなりません。
その中で、逆行するような流れです。

「先端」だから、極力若い人で、という単純な考えではないでしょうが。

教員の雇用制度はどうも、極端なような気がします。
基本的には終身雇用を前提としたものと、任期付教員。

でも、任期付教員が実績を上げることによって、終身雇用の教員になる、といった話はあまり聞きません。

新規雇用時は5年の任期付きです。
その後3年ごとの契約になりますが、実績査定次第で、契約更新ごとに終身雇用教員となる道があります。
終身雇用教員には、研究と授業以外にも、学内のさまざまなプロジェクトや委員会に参加してもらうことになります。

そんな感じが、一般的な常識とも整合性の取れる制度なのではないでしょうか。

教育再生関連6会議 大学院内部進学を3割程度に抑制へ

大学・大学院に競争原理を積極導入…教育再生関連6会議」(YOMIURI ONLINE)という記事から。
政府の教育再生会議は23日午前、第3分科会(教育再生)を首相官邸で開き、大学・大学院改革について、国立大学の大学院生に占める同大学の学部出身者(内部進学者)を最大3割程度に抑えることなどを柱とする素案を大筋で了承した。

 内部進学者の制限は、大学の枠を超えて人材を集めることで大学院教育を活性化するのが狙いだ。素案は当初、「最大2割程度」を目標とする方向だったが、大学関係者の反発に配慮し、「3割程度」に改めた。

 素案にはこのほか、<1>政府開発援助(ODA)予算を活用し、中国やインドなどからの留学生・研究者の受け入れを推進する<2>大学院教育の財政基盤を強化し、民間からの寄付を受けやすくする優遇税制を導入する――などが盛り込まれた。


実際は、この場で議論する前にある程度する合わせができているのでしょう。
合意できるところだけ合意しました、という印象は否めません。

大学院内部進学者の制限については、これがいい方向の効果を生むのかは疑問です。

特に理系学部については、大学院進学が一般的になっています。
学部と修士課程の6年間を見越したカリキュラムを作っているところもあるでしょう。
それが、4年で断絶してしまうことのデメリットが大きいのではないかと思います。

もちろん、上位3割のものしか自大学の院には進めない、ということで、学習へのインセンティブになるという見方はあると思います。
ただ、そこまで優秀な人間は、それはそれで他大学に進んでしまうような気もします。
難しいところでしょう。

「ウチは、研究の方はとりあえず置いておいていい、教育に重点を置く」という学部が、他大学の院と連携して、院進学コースの中で、教養・専門基礎教育を徹底する、というのもいいのではないかと思います。

社会人の大学・大学院進学に関する調査結果から

マクロミル、社会人の大学・大学院進学に関する調査結果を発表」(日経プレスリリース)から。
【1】進学する際、現在勤めている会社は「そのまま勤めながら進学する」78%
 5年以内に国内の大学・大学院へ進学意向のある社会人に、進学する場合、現在勤めている会社をどうするのか尋ねたところ、78%の人が「そのまま勤めながら進学する」と回答しました。また「退職してから進学する」が10%、「休職して進学する」が6%となりました。

【2】大学・大学院に進学したいと思った理由は
●「現在の仕事に関してより専門知識を身につけるため」51%
 大学・大学院に進学したいと思った理由を尋ねてみると、「現在の仕事に関して、より専門知識を身につけるため」が51%、「仕事に関係なく、興味・関心のある分野の勉強がしたくなったから」が49%、「転職のため、知識と技能を身に付けたいから」が33%となっています。

【3】社会人の進学にあたっての不安は「学費の負担」が73%でトップ
●次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」が53%
 大学・大学院に進学するにあたって不安があるかどうか尋ねたところ、「不安がある」と回答した人は75%となりました。さらにどのような不安なのか尋ねてみたところ、「学費の負担」が73%で最も高く、次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」53%、「家での勉強時間を確保できるかどうか」49%となっており、‘お金’と‘時間’に対する不安が大きいことがわかりました。


「仕事に関係なく興味・関心のある分野の勉強をしたい」という人が半数近くいるというのが少し驚きです。(複数回答のようですが)
資格や職能に関連するような大学院ばかりではなく、もっと根本的な、例えば「哲学」とかを勉強したいということでしょうか。人間力がつくということになりますので、それはそれで、遠回りしながらも最終的には仕事にも役立つことでしょう。

また、添付資料のデータには、記述回答が掲載されているのですが、在職中の会社に対する希望が興味深いものがあります。
基本的には、会社側は、社員が大学で勉強することに対して理解がない、協力的ではない、ということのようです。

でも、大学と企業で連携して、社員の再教育プログラムができないでしょうかね。
大学側は、企業からの要望にあわせて、保持する教育資産を組み合わせてプログラムを作成する。
企業側は、そのプログラムを受講する社員に対しては、一定の補助を出したり、勤務時間を配慮する、というものです。

大学にとっては、その会社の社員が固定客になりますし、メリットはあると思うのですが。

大阪市、米カーネギーメロン大大学院の研究拠点を誘致へ

大阪市、米カーネギーメロン大大学院の研究拠点を誘致へ」(asahi.com)という記事から。
 コンピューターなどの分野で世界最高水準と言われ、ノーベル賞受賞者が輩出している米国・カーネギーメロン大大学院(ペンシルベニア州ピッツバーグ)の海外拠点を、大阪市が誘致する。世界的な頭脳の「輸入」で関西の地盤沈下に歯止めをかけたい考えだ。大学側もアニメ分野などで高い水準を誇る日本への進出に前向きとされ、関淳一市長自ら24日に渡米し、大学側と折衝する。

市が誘致するのは、科学技術と芸術の融合をテーマとする同大学院の「エンターテインメント・テクノロジーセンター」。約120人の院生が、ウォルト・ディズニー社やイーストマン・コダック社と提携し、ゲームソフトやテーマパークのアトラクション、舞台芸術装置などの開発に取り組んでいる。外部からの開発依頼も多く、01年9月の同時多発テロを教訓に、爆発物や毒ガスなどの特殊な災害下での対処法をゲーム形式で学ぶ消防士訓練シミュレーターを、ニューヨーク市消防局と共同で開発した実績もある。

 企業での実地研修を重視しており、すでに海外での研修の足場として、オーストラリアとシンガポールに拠点がある。


すでに、情報セキュリティの専門職大学院を神戸に持っているカーネギーメロン大学。
こちらは、日本校ということではなく、本体の研究機関ということ。

もちろん、このような研究拠点を日本においてもらえるのは嬉しいところですが、大阪市にメリットはあるのでしょうか。

大阪を地盤としているのは、松下やシャープなど、ちょっとエンターテインメントの分野とは距離を感じます。

もちろん、そういう分野を拡大していきたいという大阪市の狙いはあるのだと思いますが、がっちりと企業と連携して、活気つくというイメージがもうひとつ掴めません。

これが、京都であれば、任天堂もあるし、大学も多いのでイメージできるのですが。


大学院でのキャリア教育

JAIST、大学院生のキャリア目標に沿った新教育プランを策定(北陸先端科学技術大学院大学)」(IPNEXT)という記事から。


学生の将来の職業志望に基づいて、タイプ別に実践的教育を実施するほか、「キャリア・アドバイザー」を新設し、履修上の問題や進路に対して、新教育プランに沿った指導・助言を行うなどの修学支援を行う。また、分野変更をした学生に対し、基礎を重視した修士教育を2年分の学費で3年間受講できるようにする制度や、成績優秀者に対し、最大で180万円の奨学金を援助する制度などを設ける。


大学院進学が一般的になってきたということでしょうか。
学部=基礎・教養→大学院=専門という考え方がある一方で、職業に直結したような学部に人気があるのも事実です。

高校の進路指導では、志望大学を決める際に、将来の職業観を持たせて、そこから志望学部を考えさせますが、後々までその志望に拘りすぎるのは危険だと思います。

学部時代に、自分の将来観を深めて、学部から分野変更をして、大学院へ進学することがもっと一般的になると、多角的なものの見方ができる面白い人材が増えるのではないかと思います。
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