インターネットで見つけた大学のニュース、教育の話題に、ひと言つっこみを入れながら、大学のことを考えていきます。(基本的には応援姿勢)
経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した、15歳を対象とした国際的な学習到達度調査(PISA)の「科学的リテラシー(応用力)」の分野で、日本は参加した57国・地域中、6位で世界的には第3グループに位置していることが29日わかった。
科学的リテラシーを重点的に調査したのは初めてで、参加国も増えたため単純比較は難しいが、日本は前回の2003年調査では41国・地域中2位。1位は前回も今回もフィンランドだった。
調査はOECD加盟国の平均点が500点になるように調整されている。今回は、日本の531点に対し、フィンランドは563点、2位の香港は542点。3位のカナダから7位のニュージーランドまで4点差。フィンランドと香港の二つが突出して良く、日本はそれに続くグループに入る結果となった。
科学的リテラシーは、日本の教育課程では理科中心の内容。さらに、PISAでは、知識や技能を実生活で活用できるかや、論理立てて考える力が身についているかも調べる。
PISAは00年から3年おきに実施され、科学的リテラシーのほか、読解力や数学的リテラシーも調べている。OECDは12月4日夕方(日本時間)に世界同時に公表する予定だったが、スペインの教育専門誌が結果の一部を報じたため、科学的リテラシーの順位と得点を発表した。残り2分野の結果や今回の問題などは予定通りの日程で公表するという。
山梨大学は教育、研究に優れた実績をあげ、同大を65歳で定年退職した教授を再雇用する「山梨大シニア・リサーチ・プロフェッサー」制度を導入し、来年度からの実施を目指す。
有能な教授を確保し、教育、研究の充実や、受託研究、共同研究など外部資金の獲得を図るのが目的。各学部などの推薦で、学長や、教育人間科学、医、工の3学部長らでつくる教育研究評議会で討議し、学長が決定する。各年度に2人程度の採用を想定しているという。すでに規定を作成しており、現在、対象者を受け付けている。
08年度に学生の受け入れを始める教職大学院が、19校でスタートすることになった。文部科学省の大学設置・学校法人審議会が27日、認可した。小中高等学校の教員について「指導力不足」などの問題点が指摘されていることから、現職教員や学部の新卒者らを対象に、授業や学校運営の能力のレベルアップを図ることをめざしている。
教職大学院と通常大学院の違い
21校が08年度の開設を申請し19校(国立15校、私立4校)が認可された。京都教育大は、周辺の私大7校と連携し連合大学院を設置する。各大学院の定員は16〜100人で、計706人。
教職大学院は、法科大学院などと同じ専門職大学院の一種。学校運営の中心となっていく中堅教員や、実践的な指導力を備えた新人教員の養成をめざす。修了すると教職修士号(専門職)が与えられるが、待遇は各教委の判断に任されている。
認可された19校も、現職教員の学生について学校での実習を免除する計画がずさんだなどと指摘され、改善を求められるケースが相次いだ。この点について審議会は文科省に対しても「免除の基準があいまい」などと改善を要求。同省は近く基準を改善する考えを示した。
大阪工業大学などを運営する学校法人・大阪工大摂南大学(大阪市)と、全国高校ラグビー大会で4連覇した学校法人・啓光学園(大阪府枚方市)が年明けにも、経営を事実上統合することが26日、明らかになった。少子化が進んで、両法人とも学生・生徒を確保することが難しくなっており、中学から大学までの「一貫教育体制」を実現して教育機関としての魅力を高め、勝ち残りを目指す。12月初旬に正式発表する。
受験生と募集定員の数がほぼ並ぶ「大学全入時代」を迎え、複数の大学を運営する大阪工大側は、中学から大学までの一貫教育体制をつくるため、付属中学校の開設を検討してきた。
一方、中学・高校を併設する啓光学園側は、安定した系列の進学先がないこともあって、90年代は300人前後いた入学者数が、ここ数年は200人以下に。生き残りのためには進学実績の向上が欠かせず、教育体制の充実が期待できる大阪工大との統合が得策との判断に傾いた。
両校は26日に理事会を開き、統合の基本方針をそれぞれ承認した。学校法人同士は合併せず、啓光学園の理事会(7人)の過半数を大阪工大側が得ることで、実質的に経営統合する。それぞれが運営する学校はそのまま残る。
信州大学、電気通信大学など国公立大7校と中央大学は2010年度にも、東京都内に共同で理工系の「スーパー連携大学院」(仮称)を開設する。各大学が得意とする研究分野を生かしながら、企業と連携して新しい技術研究に取り組む。ビジネス界や行政で即戦力となる人材の育成を目指す。
信州大などのほか、北見工業大、弘前大、秋田県立大、長岡技術科学大、三重大を加えた8大学でスタートし、今後も参加大学を募る。8大学は約60の大学や研究機関でつくる交流組織、コラボ産学官(事務局=東京都江戸川区)を通じて連携策を話し合ってきた。
「学長直行便」。成蹊大(東京都武蔵野市)は05年11月、そう名付けたポスト型の箱を学内3カ所に設置した。
直行便は、栗田恵輔学長の発案で始まった。今や電子メールが全盛の時代。学生の意見をメールで募る大学は珍しくないが、なぜ本物の箱を置いて手書きの意見を投函(とうかん)してもらうのか。栗田学長は「メールだと、あまり深く物事を考えないで惰性で人に意見を伝えることがあると思った。きちんと字を書いてもらうことに意味がある」。
原則記名式で、月に2度回収。これまでに240通が集まった。意見にはすべて栗田学長が目を通し、必要ならば関係部署と相談して回答する。意見と回答は学内のウェブで公表される。
「成蹊大は社会活動やボランティアへの支援策が手薄では」。そんな意見を受け、学内に外部の団体との連絡窓口となる「ボランティアセンター」の設立準備室ができた。「不親切」などの意見が目立った職員の対応を改善したら、学内の調査で学生の不満度がほぼ半減した。成果は表れてきている。
広島経済大(広島市)は03年12月に意見箱「聞いて学長!」を食堂など学内3カ所に設置。「学生の声を改革に生かしたい」という石田恒夫学長の思いを実現させた。これまでに寄せられた意見は約500件。すべて学長が目を通し、回答と一緒に箱の近くなどに掲示するようにしている。
●雨の日にバスを増やして下さい。
(回答)業者契約に基づいて運行されていますので天候によってダイヤを変えるのは不可能です。雨の日は渋滞したり混雑したりするものです。もう少しゆとりをもって大学に来るようにしてください。
●女子大では、コートが数着入る無料の生徒専用ロッカーが置いてあるので、この大学でも置いてほしい。
(回答)学生数約4000人の個人ロッカーを設置するには、多大な経費と広いスペースが必要となります。設備費と需要のバランスを考慮しても、現段階では計画はありません。コインロッカーを利用してください。
●なぜ喫煙スペースをいい場所にとり、喫煙者を優遇しているのかわかりません。
(回答)ご意見の通りまだ問題はありますが、決して優遇しているわけではなく、灰皿もかなり減らしましたし、屋根のない喫煙所もあります。喫煙スペースについても双方にとってふさわしい場所があれば、ぜひ学生課まで提案をお願いします。
【パリ24日共同】フランスのサルコジ政権が進める大学改革に一部の学生が「大学が商業主義に陥る」と猛反発、各地で抗議行動が続いている。23日にはパリ大学ソルボンヌ校で校舎入り口を封鎖していた学生と、勉強を続けるため中に入ろうとした学生が衝突、大学当局は同校を閉鎖した。AP通信などが報じた。
反発が起きているのは8月に成立した「大学の自由と責任に関する法律」。同法は今後5年で予算や財産管理についての大学の裁量を拡大させると規定。職員採用などに関する学長の権限を強化し、民間資金の導入にも門戸を開く。日本の「国立大学法人」のフランス版ともいえる内容で、教育や研究の活性化を目指しているとされる。
「大学間の格差拡大」を危惧し、法律撤廃を求める学生らは全国で抗議行動を展開。フランス公共ラジオによると、全国の50大学で校舎封鎖などの動きが出ており、抗議行動は高校にも広がりつつある。
ベネッセコーポレーションは22日、家庭用携帯ゲーム機、ニンテンドーDSを使った次世代型カリキュラム「得点力学習DS」、ウェブサイト「進研ゼミ中学講座+i」を来年1月から始めると発表した。DSは学年別、5教科計18種類のソフトを同時に発売する。携帯端末を使うと移動時間が有効に使えるうえ、集中しやすいというデータもあることから、同社では効率的な学習ができると期待している。
英単語や重要な用語の暗記、テスト形式での繰り返し学習などで、解答を書き込むと、答え合わせができ、次々に問題を解いていける。専用のタッチペンで「手書き」入力できるため記述式テストが可能なことや、同社調べでDSの中学生の普及率が8割を超えたことも導入の決め手になった。
マーケティング企業グループのハルは20日、企業と大学をつなぐことを目的とした産学連携を推進する組織「アイ・シーエル(iCL)」を設立した。全国24の大学37名の研究者が集まり、自ら企業に働きかけることで、大学の研究成果を積極的に社会で活用できるよう、環境を整備するのが狙い。神戸大学大学院経営学研究科の石井淳蔵教授が代表を務める。
アイ・シーエルでは、マーケティングや経営学など人文系の研究成果を中心に取り組む。窓口業務はハルグループの株式会社アンティムが担当。企業と大学のつながりを強化する組織として、幅広い活動を展開するという。
大学卒業後は故郷に帰ってきてもらおうと、飯田市は本年度から、Uターン者に市奨学金の3分の1を免除する特例措置を始めている。全国でも珍しい取り組みといい、来年度からは大学院卒業生にも枠を広げる。
市の奨学金は松村育英会、龍峡育英会、長志育英会で、いずれも民間から寄付された基金。大学生は月3万円を貸与され、卒業して13カ月目から返還が始まる。自治体による育英会自体も珍しく、利子や所得制限がないのが利点だ。
市には4年制大学がなく、高校卒業後に8割が飯田を出て、うち6割が帰ってこない。持続可能な地域を目指してU、Iターンに力を入れており、Uターン者の返還一部免除に乗り出した。
対象は大学、大学院卒業後に飯田にUターンした人で、3分の1を上限に免除される。4年間で144万円を貸与された場合、最大で48万円が免除される。免除分は市が補てんする。
市教育委員会の学校教育課では「大学で学んだ人に帰ってきてもらい、飯田の発展につなげたい。大学院に枠を広げることで、若者たちのUターンを促進させたい」と期待している。