インターネットで見つけた大学のニュース、教育の話題に、ひと言つっこみを入れながら、大学のことを考えていきます。(基本的には応援姿勢)
立教大学は来年度から、団塊世代向けにビジネスなどを学べる専門講座を開設する。ゼミに参加したり、履歴書にも書き込める「履修証明」を出したりと、最長2年間受講できる本格的な講座とする。大学紛争などで満足なキャンパスライフを送ることができなかった団塊世代に、お金や時間に余裕のできた定年後を豊かに迎えてもらおうとの狙いだ。
財務省は28日、2008年度の奨学金事業予算を削減する方針を固めた。同事業費が年々増額を続ける一方で、奨学金を遊興費に転用する学生が目立ち、苦学生支援という奨学金本来の意味が薄れつつあるためだ。
奨学生数は、07年度に全国の大学・短大生の3分の1に当たる114万人に達し、同事業予算も年々増加を続けている。同事業を所管する文科省は、08年度概算要求で奨学金関係予算で前年度比約210億円増の1439億円を求めた。
これに対し、財務省は「苦学生でない人が同事業の対象に入っている」と指摘する。無利子奨学金に比べ審査基準の緩い有利子奨学金を含めると所得1344万円以下の世帯が対象となり、大学生などの子供を抱える世帯の約8割が条件に当てはまる。学力基準も緩く「手を挙げれば大体、奨学金がもらえる」(主計局)のが現状という。
財務省の資料によると、奨学金を電話代や海外旅行費など勉学以外の目的に使う奨学生が増加する一方で、勉学費や書籍購入費は大幅に減少している。
また、奨学生の増加に伴い奨学金が回収できなくなる例が続出。05年度末の時点では、14万件が不良債権化し、06年度には延滞債権総額が2000億円を超えた。旧育英会の奨学金事業を引き継いだ「日本学生支援機構」が回収を進めているが、06年度に扱った1万件のうち、約半数の4395件は居所不明などの理由で未解決のままだ。
財務省は、この対策として「機関保証」の義務化などを検討している。機関保証は奨学生が毎月一定額の保証料を「日本国際教育支援協会」などの保証機関に支払い、返済が滞った場合、同機関が本人に代わり国に返済する制度だ。
文科省は「事業費の不足で、貸与の条件を満たしていても奨学金を受けられない学生が毎年いるのが現状」として予算増額の必要性を強調するが、財務省は「納税者に説明できるとは思えない」としている。
◇千葉大の明石教授が呼び掛け
教育系学部がある関東の七つの国立大学が、中学2年生向けにカリキュラムなどを紹介したサイト「教育学部へ行こう!」をウェブ上に公開した。教育学部の人気低迷への危機感から、「将来の職業を真剣に考え出す中学2年から教職に関心を持ってもらおう」と初めてスクラムを組んだ。「ライバル同士の連携で全体の底上げになれば」と、関係者は期待している。【橋本利昭】
千葉、茨城、群馬、埼玉、東京学芸、山梨、横浜国立の7大学が参加した。サイトには、教育学部についてのあらゆる疑問に答えるため、実際の学生の1週間の受講スケジュールや教授の1日の仕事を掲載。単位や卒論、リポートの提出について説明、「優」「良」「可」などの評価法を紹介している。また、「いじめられているあなたこそが教師になるべきだ」などのタイトルで、教授らがコラムを寄せている。
千葉大学教育学部の明石要一教授(59)が昨年11月、関東教育系大学学部長会議で呼びかけた。千葉大など7大学が、30万円ずつ出し合ってサイトを製作した。
団塊の世代の大量退職などで新規採用の教員は増えているものの、国公立前期日程・教育養成系学部の受験倍率は05年度から2・93、2・81、2・53倍(河合塾調べ)と下がり続けている。明石教授は「将来教員を希望する人は、中学2年で全体の2割。それが高2で1割に減る。人気低迷はモンスター親の出現や今後の教員免許更新制導入が原因とみられる」と指摘。「受験者数が増えれば大学の検定料収入もアップするし、教育学部に優秀な学生が集まって教員の質が高まれば、日本の国力アップにもつながる」と強調する。
次の学習指導要領を審議している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が、近く公表する中間報告「審議のまとめ」の中で、現行の指導要領による「ゆとり教育」が行き詰まった原因を分析し、「授業時間を減らしすぎた」などと反省点を列挙することがわかった。
中教審はすでに、小中学校での授業時間増など「脱ゆとり」の方針を決めているが、反省の姿勢を明確に打ち出すのは初めて。中教審が自己批判するのは極めて異例だが、反省点を具体的に示さなければ、方針転換の理由が学校現場に伝わらないと判断した。
中教審は1996年、それまでの詰め込み教育への反省から、思考力や表現力といった学力と、他人を思いやる心などを「生きる力」として提唱。現行の学習指導要領は、この「生きる力」の育成を教育目標に掲げ、小中とも授業内容を3割削ったり、総授業時間数を1割近く減らしたりしたほか、教科を横断した学習で思考力などを身につける「総合学習の時間」の創設を盛り込んだ。しかし、指導要領が実施されると、授業時間の減少により、「基礎学力が低下した」「子供の学習意欲の個人差が広がった」といった批判が相次いだ。
中教審が今回、反省点として挙げるのは、〈1〉「生きる力」とは何か、なぜ必要なのかを、国が教師や保護者に伝えられなかった〈2〉「生きる力」の象徴として、「自ら学び自ら考える力の育成」を掲げたが、子供の自主性を尊重するあまり、指導をちゅうちょする教師が増えた〈3〉総合学習の時間を創設したが、その意義を伝えきれなかった〈4〉授業時間を減らしすぎたため、基礎的な知識の習得が不十分になり、思考力や表現力も育成できなかった〈5〉家庭や地域の教育力の低下を踏まえていなかった――の5点。
ゆとりが強調されたことで、教師が基本的な知識を教えることまで「詰め込み教育」ととらえ、避けるようになったと振り返るとともに、主要教科の授業時間が減って、観察やリポート作成の時間がなくなったと分析。さらに、家庭や地域の教育力が低下し、生活習慣や規範意識を身につけさせる上で学校の役割が増していたのに、その認識もなかったと反省している。
中教審は、こうした反省を踏まえ、次の学習指導要領では、「生きる力」をはぐくむという理念は残しつつ、十分な授業時間の確保や道徳教育の充実を図る必要があると結論づけた。近く公表する「審議のまとめ」を基にさらに議論を進め、来年1月ごろに答申をまとめ、文科省が今年度内に学習指導要領を改定する。
同省はこれまで、「運用面で問題があったが、ゆとり教育の理念は間違えていない」などとし、明確な反省を示してこなかった。
研究職として採用した大卒・大学院卒社員の資質が「期待を上回る」と答えた企業はわずか1〜2%台――文部科学省の「民間企業の研究活動に関する調査」で、こんな実態が明らかになった。「期待を下回る」は学士で約31%など、企業側は、基礎教育の不十分さや、独創性の不足に頭を痛めている。
研究開発をしている資本金10億円以上の企業1791社を対象に今年2〜3月に調査し、896社(50%)から有効回答を得た。
研究者の資質を学歴別に尋ねたところ、「期待を上回る」は、学士が1.0%、修士課程修了者で1.4%、博士が2.6%、ポストドクター(任期付きの研究職などに就いている博士)が2.2%にとどまった。
いずれも「ほぼ期待どおり」は60%前後。「期待を下回る」とした割合は、学歴・年齢が高いほど低く、修士では約26%、博士約15%、ポスドク約8%だった。
期待を下回る理由は、学士では「基礎教育の内容・方法が不十分」が最も多く、修士や博士は「企業ニーズに無関心など企業研究者としての自覚に欠ける」が最多だった。ほかに「教科書や既成理論への偏重教育で独創性が育っていない」「隣接分野の教育が不十分」を挙げた企業も多かった。
文部科学省は24日、全児童・生徒対象のテストとしては43年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、4月)の結果を公表した。多くの児童・生徒は基礎的な知識を身に着けて、平均正答率は7〜8割だったが、知識の活用力を問う問題の平均正答率は6〜7割にとどまった。公立学校の都道府県別では大半が平均正答率の上下5%以内に収まるなど地域間格差は縮小傾向を示した。子どもの学習時間は過去の同種の調査よりも大幅に増加した。
テストには小6と中3の約221万人が参加。国語と算数・数学で身に着けておくべき「知識」(A)と実生活に役立てる「活用」(B)の小中学校計8分類を実施し、学習意欲などを聞くアンケートも行った。
知識(A)の平均正答率は▽小学校国語A81・7%▽同算数A82・1%▽中学校国語A82・2%で、多くの児童・生徒に基礎的な知識が定着していた。中学校数学Aは72・8%で、「反比例」や「確率」に課題が残った。活用(B)は▽小学校国語B63・0%▽同算数B63・6%▽中学校国語B72・0%▽同数学B61・2%で、知識を生かしきれない実態が浮き彫りになった。
バレーのスタートアップ&社員の羊水スタンフォード大学が、在学生と教職員合わせて3万人に健康な暮らしを推進するオンラインコミュニティ「BeWell@Stanford」を公開した。
BeWell@StanfordはWellsphereがシステムを運営している。メンバーは個別にアドバイスを受けたり、健康情報、キャンパス内と最寄りの健康アクティビティを調べたり、似たような人に出会ったり、支援・助言・応援のためのグループを結成できる、そんな情報と人の集まる中心を提供している。
「より健康的なスタンフォード大学」を実現するサイトだと、スタンフォード大学シニアアソシエイツ運動顧問Eric Steinは語る。
サインナップするとユーザーは直ちに活動・興味・共通のゴールを基にグループに入会できる。自分の進歩を投稿で報告すると、専門家や仲間からアドバイスや励ましをもらうことができるし、ストリーミング動画の視聴・共有も可能。互いをほめあい、友だちや家族を招待することもできる。世界を変えるスタートアップで残業で夜遅くまで働いていると、指でキーボード叩いてるだけじゃなく野外に出て体を動かすよう、パーソナライズしたアップデート情報も届く仕組みだ。
ユーザーは近在市のパロアルト、メンローパーク、レッドウッドシティとその周辺エリアのWellsphere健康情報ディレクトリを見て、キャンパス外のWellsphereコミュニティの人たちとも交流できる。
シンボル学部を復活させます――。佛教大(京都市北区)は2010年春をめどに、仏教学部を45年ぶりに設置する計画を23日、発表した。志願者の減少で、大学や学部の名前から「仏教」を外す動きが相次ぐ中、特色を出すために再生させる戦略だ。
佛教大は1949年に専門学校から大学に昇格した際、仏教学部を開設した。だが、「より多くの学生が仏教(浄土宗)を学びやすいように」と65年、文学部に改組し、現在は文学部人文学科に「浄土・仏教コース」などが残るだけ。今回は、文学部から独立させて開設するとしている。
中国・上海の復旦大学は22日、高い能力を備えた中国語の教員を育成するために、大阪市内に来春、修士課程を教える拠点を開くと発表した。毎年、中国語のできる日本人30人程度を受け入れ、2年目からは上海の本校で学ぶ。開設場所は通訳・翻訳家を育成・派遣する「インターグループ」大阪本社(大阪市北区)の施設を利用する方針。
文部科学省は、国立大学に対し、寄付金の一部を株式の投資信託で運用することを認めるなど“財テク”のための裁量権を拡大する方針を固めた。
大学での研究成果を基に起業する「大学発ベンチャー」への出資も認める方向で、資金を柔軟に活用することで国立大学の安定的な財政基盤を確保することが狙いだ。来年の通常国会に国立大学法人法改正案を提出する。
国立大学は、2004年に独立行政法人となり、国からの運営費交付金、授業料などのほか民間からの寄付金などの収入で運営している。運営費交付金は2005年度で総額1兆600億円に上り、各大学とも収入のほぼ5割を占めるが、04年度以降毎年1%ずつ削減されており大学経営を圧迫している。
寄付金については、06年度、87の国立大で計約693億円に上った。東大の102億円を筆頭に、九州大46億円、大阪大45億円と多額の寄付を受けた大学も多く、大学法人にとって寄付金の獲得や運用が重要になりつつある。
政府の教育再生会議も今年6月の第2次報告で「民間の寄付金運用の弾力化」を盛り込み、寄付金に限定した大学法人の資産運用を認めるように求めていた。
こうした状況を踏まえて、文科省は、寄付金の運用に関し、国債や地方債など元本保証のあるものに限定している点を法改正し、元本保証がない株式投資信託などへの運用も可能にする。また、大学の教員や学生などが研究成果や新技術、特許をもとに設立する「大学発ベンチャー」への出資も認め、資金調達で苦戦している地方の「大学発ベンチャー」を支援する。