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医学部定員増について考える

先日、救急車で受け入れ先がなく、たらい回しにされた妊婦が流産したという報道がありました。
関西に住んだことのある私としては、奈良県橿原市から大阪府高槻市まで救急車で運ぶということに驚きました。
何かがちょっとおかしくなっていると思わざるを得ません。

『医師不足対策、医学部の定員80人増 08年度国立大』(asahi.com)という記事から。
 文部科学省は30日、08年度の国立大の入学定員をまとめた。総定員は、前年度より322人少ない9万5956人と、14年続けて減った。一方、地方の医師不足対策として弘前、山梨、三重など8大学の医学部で10人ずつ、計80人定員が増えた。08年度からスタートする教職大学院の定員は、15大学の合計で571人。


各地方でも独自に、医師不足対策を進められています。
医学部の学生の中には、「先端的な医学研究をして、医療の発展によって、人々の健康に貢献したい」という研究志向の人と、「臨床医師として一人ひとりの患者を救っていきたい」という臨床志向の人、2種類いるだろうと想像しています。

研究志向の人はどうしても都市部に集中することになるでしょう。
しかし、臨床志向の人であれば、活躍の場はどこにでもあるはず。

今、医師の倫理感をちゃんと育成しようといった試みがなされていますが、さらに、学生がどのような志向を持っているのかを把握しながら、それに合わせてマインドも育成する必要がありそうです。

指導力不足教員の認定について考える

昔は、「教師」という職業は、本当に医者や弁護士のように、高度な専門職だと認識されていたんだと思います。
みんな「先生」と呼ばれていますし。
今後、医者も弁護士も増やそう、ということになっていますが、今の教員の皆さんのように苦しい立場になっていくのでしょうか?

指導力不足教員の認定 指針作りは「年内目標に」』(asahi.com)という記事から。
 文部科学省は28日、「指導力不足教員」の定義や認定手続きのガイドライン作成のため、有識者会議の初会合を開いた。都道府県・指定市の教育委員会ごとに規定してきた定義や運用がまちまちなため、統一指針が必要だと判断した。

 ガイドラインは年内にまとめることが目標だが、初会合では「既に指導力不足状態になっている人に対する研修よりも、予防型の研修が重要ではないのか」などの意見が出され、議論が広がる可能性もある。

 認定制度は、文科省が初めて調査した00年は宮城、東京、神奈川、広島、佐賀の5都県にあったが、06年度にはすべての都道府県・指定市教委に広がった。05年度は全国で506人が認定された。

 ただ、その定義は「専門性にかかわって課題を有し、児童生徒を適切に指導できない」(滋賀県)と単純なものから、宮城県や東京都などのように複数の項目を挙げて規定しているものまで幅広い。認定手続きや、誰が指導力不足と判断するのかも教委によってまちまちで、05年度の認定人数は横浜市の23人から、山形県、栃木県、札幌市、堺市の1人までばらついている。

 こうした事情を受けて、文科省は「教育3法」の中で、指導力不足教員の規定を入れた教育公務員特例法の改正案を国会に提出。6月に成立したことを受けて、ガイドライン作成に入ることを決め、教育委員会の担当者や弁護士、精神科医らで構成する有識者会議を立ち上げた。


そもそも、指導力不足の認定という事態に陥るた前に、指導力が欠如している人に、教員免許を与えないという方法はないのでしょうか?
あるいは、免許はあっても、採用しないという方法はないのでしょうか?
その方が、本人のためにもいいのではないかと思います。

それができないのであれば、指導力不足の認定なんてこともできないような気がするのですが・・・。

学生のキャリア感育成や就職支援の一環として、「インターンシップ」に取り組む大学が多く在りますが、教員養成においては、インターンシップなんて言葉が広まるずっと前から、教育実習という名前のインターンシップを実施しています。

やはり、大学入学の直後からもっと現場に出て行く必要があるのではないかと思います。
そうすれば、進路を変更したいとなった場合でも、比較的対応がしやすくなるはずです。

戦略的大学連携支援について考える

他の大学の授業を受ける・・・これまでは、研究・学習の幅を広げるための「プラスアルファ」的な意味合いが強かったと思いますが、これからは、本筋のカリキュラムに組み込まれていくようになるかもしれません。

文科省、運営全般を対象に戦略的大学連携を支援』(日刊工業新聞IP NEXT)という記事から。
 
文部科学省は08年度から、国公私立を超えた大学間の戦略的連携を支援する事業を始める。地方大学や小規模大学などが限られた予算の中で単独で環境整備を進めるのが難しい場合に、相互補完的な教育プログラムや、得意分野を持ち寄った研究などを選定して支援する。知的財産管理や教員研修、インターンシップ(就業体験)窓口など大学運営全般を対象にする。08年度予算で50億円の概算要求を盛り込む。
 08年度新施策として取り組む「戦略的大学連携支援事業」は年間40件、5年間で計200件を採択する。助成額は一件当たり5000万―3億円で、3年間支援する。
 大学改革で各大学は個性化を進めてきたが、予算や人材が不足し、取り組みが不十分なケースも少なくないのが実情。大学連携で一般的なのは授業を共有する単位互換。このほか最近では、文科省の教育・研究の公募プログラムに基づく連携提案が一部出始めた程度とされる。一方、複数校の連合による地方大学の教育充実は政府の「骨太の方針07」で重点施策と位置づけられている。
 これらを踏まえ、打ち出すのが今回の新事業。例えば、大学連合での提案は大学設置基準等の改正(08年4月施行)で義務づけられた教育内容・方法をめぐる教員研修について、複数大で共通の研修プログラムを整備することなどを想定している。
 生涯学習の授業も、経済、人文社会、理工系の各大学が協力して用意すれば幅が広がる。また知的財産管理、留学生受け入れ、インターンシップ窓口の運営も地域の国公私大が連合して取り組めば、より効果的と期待される。
 教育面では私立薬科大と、薬学部はないが医学部を持つ国立大の連携などが見込まれる。研究面では神経・内分泌系に強い群馬大学と、がん・免疫で実績のある秋田大学が連携し実績があり、これら事例を参考にしてもらう。

今後、このような連携がどんどん増えていくのだと思います。
吸収・合併を伴わず、それぞれの大学の個性も活かしながら、小規模な大学が生き残っていくためには、この方法を考えていくべきでしょう。

私は、ANAが加盟しているスターアライアンスや、JALが加盟しているワンワールドのような、航空連合をイメージしています。

共同運航便が、講義ですね。
全日空の機材、乗員で飛んでいる飛行機なのですが、全日空○○○便でもあり、タイ航空○○○便でもある、というもの。
その大学独自のプログラムなのですが、その中で学内では補完できないような講義を、他の大学の講義に相乗りさせてもらう。
全日空機のタイ航空便で成田からバンコクに飛んだあと、タイ航空独自の便でプーケットに行くという感じです。

あるいは、世界一周便のように、それぞれの大学から授業が提供されて1つの独立したプログラムになる、というのがあってもいいですね。

そんな中で、小さい大学がものすごく重要なポジションを占めるようになると面白いですね。

国立大学交付金2.2%予算増要求について考える

国立大学では、必ず話題にあがる「運営費年1%削減」問題。
単年度であれば、何とか努力しようと思うかもしれないが、毎年となると「教員を減らすしか・・・」という方向にどうしてもなってしまいます。

国立大学交付金は2.2%増を要求=文科省』(時事通信)
 文部科学省は、2008年度予算概算要求に国立大学運営費交付金として、前年度比2.2%増の1兆2313億円を盛り込む方針を固めた。政府・与党の医師確保に関する緊急対策などで打ち出された医学部の入学定員増や、政府の教育再生会議が提言した大学9月入学の促進など、「特に必要となる諸課題」に対し、支援を充実させる方向だ。
 同交付金は、06年中に進められた政府の歳出改革の中で、「前年度比1%削減」の方針が定められた。政府の経済財政諮問会議のメンバーの中からは、同交付金の一律的な配分から、各大学の努力と成果を踏まえた配分に見直し、効率化を求める意見が出ている一方、大学関係者らは猛反発しており、同省予算概算要求の焦点の一つとなっていた。
 同省は、歳出改革の時点では議論されていなかった医師確保策や9月入学の促進などに加え、07年4月からスタートする教職大学院の整備や、政府が進める観光立国の取り組みにも対応した観光関連学部の新設などで、支援が必要と判断。1%削減の方針は閣議決定しており、年末の予算編成では財務省の厳しい対応も予想されるが、安倍内閣発足以来の情勢の変化で、増額要求は妥当と判断した。

まだ、概算要求の段階ですので、これから相当難航することになるのでしょう。
国立大学だけではなく、小中学校の教員の増加も計画されていますので、ここにも大きな費用増が見込まれます。

普通に考えると、そうそう簡単に予算増は見込めないでしょう。
ただし、教育改革・教育再生は(健闘されている政策の中身の良し悪しは別として)安倍内閣の重要テーマですから、文部科学省としても「獲れる」という自信があるのでしょうか。

ただ、流れとしては、やはり大学には配分方法の効率化で予算を抑え、その分、初等中等教育に厚く配分するということになるのではないかと思います。
大学は自助努力が可能ですが、小・中学校ではまず無理ですし、地方間で格差が出るのも避けたいところでしょう。

大学としては、決して楽観はできないのではないかと思います。

教育財政・予算分析の手引き
教育と財政
諸外国の教育行財政制度

景気回復で就職・進学率向上について考える

学生の頃に、なんとか就職が決まった時期に、ゼミの先生から大学院に行かないかと誘われました。
ちょうどバブルがはじけたタイミングだったのですが、内定が出る前なら、ころんでいたかもしれません。
パラレル世界の私は、今とは全く違う仕事をしているかもしれません。

学校基本調査 「景気回復」を映す進学・就職率』(YOMIURI ONLINE)という社説から。
 景気回復で、進学率も就職率も上昇傾向にある。だからこそ進路の選択を誤らないようにすることが大事だ。

 そんなことを教える、先の文部科学省の学校基本調査(速報)結果である。

 今春、高校を卒業した現役の大学・短大進学率が初めて5割を超え、51・2%となった。大学の志願者数も、3年前に文科省が立てた予測より10万人も多い77万人に上った。

 少子化が進めば志願者数も減り、2007年度には入学者数と一致し、数字上は全員が大学に入れる「全入時代」が来る――とした文科省の予測は外れた。

 文科省は「景気回復が要因の一つ」と説明する。「超氷河期」と言われた就職難が改善される中、若者はより理想に近い就職先を目指し、一層の高学歴を求めるようになっている、という分析だ。

 就職に有利とされるブランド大の人気はさらに高まりそうだ。難関の国立大や都市部の大規模私大に志願者が集中する傾向も続くと見られる。

 就職した新規高卒者の割合も、前年より0・5ポイント増えて18・5%になった。大学進学率に反比例して低下してきたが、4年前から上昇に転じた。

 この結果、アルバイト、パートなどで生活するフリーター層と、ニート予備軍とでも言うべき「進学も就職もしていない者」の割合は着実に減っている。4年前まで、両者合わせ1割を超えていたのが、それぞれ全体の1・4%、5・2%にまで減少した。

 企業の採用枠の拡大に加え、政府の進めるフリーター・ニート対策や、学校での「キャリア教育」支援なども効果を上げているようだ。中学校では、地域の企業と協力し、5日以上の職場体験が実施されている。高校や大学ではインターンシップ(就業体験)が普及している。

 しっかりとした勤労観、職業観に立って、主体的に自分の将来の選択ができる生徒・学生を育成するのが目的だ。

 懸念すべき材料もある。日本私立学校振興・共済事業団の調査では、私立大では1年間に全学生の2・9%に当たる5万5000人が中途退学している。4年間では優に1割を超すだろう。本意でない大学に入って満足できず、他大学などへ「進路変更」するケースも多い。

 就職して3年以内に辞める離職率も、02年の時点では高卒者で49%、大卒者でも35%に上っていた。

 間もなく進路決定期を迎える。後で「ミスマッチ(不適合)」に気づき、生徒が後悔することのないよう、進路指導には細心の注意が必要だ。

生徒が後悔することのないよう、進路指導に細心の注意をはらうことは必要ですが、もっと必要なのはミスマッチが生じてもリカバリーできるココロとアタマを育てることだと思います。

これだけ、進学率があがって、みんながみんな思うような進学ができるということはないでしょう。ミスマッチは生じるものだとして、その時にどうするか?ということが大切。
選択肢は多いはずですが、逆にどうすればいいのか、子どもの頃のように手を差し伸べてくれる人はいません。

高校であれば、中退しても、通信制や、高卒認定といった別のルートがありますが、大学の場合は、また一から受験することになります。
ちょっとロスが大きいですね。

定員で管理されている日本の大学にとって、アメリカのようなシステムがいいかどうかはわかりませんが、学生にとって、方向転換可能のシステムをもう少し用意したいですね。
そうしないと、進学率は上がったのに、卒業率が下がっていく、ということになりかねません。

総ガイド全国大学編入・転部(08年度版)
まるわかり!大学編入(07〜08年度版)

奨学金の拡大について考える

学生時代、いろいろな奨学金制度がありましたが、返還なしのものは条件が合わず、貸与のものは社会人になっていきなり借金を抱えたくないので使用しませんでした。
貸与奨学金を広げて、効果があるんですかね。

奨学金上限2万円増 大学生で月12万円 貸与も3万3000人増』(東京新聞)という記事から。
 文部科学省は二十五日、日本学生支援機構が大学生などに貸与する奨学金について、来年度から月額の引き上げや新規貸与の増員などで拡充する方針を固めた。現行は、上限が十万円(大学院十三万円)となっている有利子貸与の月額を二万円引き上げ、十二万円(同十五万円)とすることなどが柱。新規貸与も計三万三千人増を目指す。同年度概算要求に奨学金事業費として前年度より約一千億円多い約九千五百億円を盛り込む。

 同奨学金は「有利子」「無利子」の二種類で、〇七年度の貸与人員は有利子約六十八万人、無利子約四十七万人。保護者にとって、大学などの学費や学生生活に必要な費用の負担感は最も強いとされ、先の参院選でも、与野党が公約に奨学金拡充を掲げた。同省も子育て支援などの観点から、充実が必要と判断した。

 有利子奨学金は、おおむね希望者全員が貸与を受けられる状況で、〇八年度も新規貸与人員を二万一千人増やす計画。また、現行は大学生の場合、三万、五万、八万、十万円の中から本人が選択していた貸与月額に「十二万円」を新設。近年、進学者が増えている大学院でも、五万、八万、十万、十三万円に加え「十五万円」を設け、学生が自活しやすくする。

 一方、無利子には、「大学の成績が学部内で三分の一以内」などの基準が設けられているが、その基準を満たしていても、財源不足で貸与を受けられない学生が約二万人いるとされる。これを解消するため同省は新規貸与を、〇八年度に一万二千人増やす方針だ。

以前は、教育職・研究職に就くと返還免除という制度がありましたが、独立行政法人になってなくなってしまいました。
さらに、昨今の風潮を見ると、借りたけど返還しない人というのも相当いそうです。
このシステムは、このまま続いていくのでしょうか?

大学に対する助成は一律のものから、競争的なものに徐々に移っていきています。
学生に対する奨学金は、そのような競争環境も作れないほど、お金が投資されていない、ということです。

優秀な学生がに必要な奨学金が行き渡らない状態というのは、国にとっても損失だと思いますが。

学費免除・奨学金で行く大学・大学院進学・休学・留学ガイド
大学・専門学校進学のための進学費・奨学金・教育ローンガイド

ハケン先生について考える

私が社会人になってから、教員の派遣が認められるようになったので、現場に派遣教員がいる状況を知りません。
まあ、生徒にとっては関係ないんだと思いますが。

『ハケン先生』浸透中 人件費抑制や受験対策』(東京新聞)という記事から。
 教員派遣業は一九九〇年代末の労働者派遣法緩和の中で始まった。最初は教育関連企業が派遣会社をつくる事例が主だったが、大手の人材派遣会社も参入し始めている。

 大手学習塾などを運営する栄光グループの「エデュケーショナルネットワーク」(東京都中央区)には約一万六千人が登録。首都圏の私立高校を中心に約四百四十校が会員となっている。「必要に応じて、派遣を受けることで人件費を流動化させるとともに、大量退職時代に入り、幅広いルートで優秀な人材を確保したいという事情が学校側にはある」と担当者は説明する。

 二〇〇五年から参入した人材派遣大手「テンプスタッフ」(東京都渋谷区)の学校法人ソリューション室の笠松健太郎マネージャーは「これだけ少子化が進むと、学校は何か付加価値をつけなくてはいけないという競争意識を強く感じる」と話す。予備校出身の講師が進学校数校をかけもちする事例もあるという。

 東京都台東区は本年度、学力向上策として全小中学校で放課後の補習などにあたる講師について、初めて人材派遣会社を利用する。「六月の補正予算で事業化し、年度途中からになるため、区が直接募集しても決まらないと考えた」と言う。

 人材派遣会社の登録者には、子育てなどの事情で退職した元教員などもいる。文部科学省教職員課は「派遣先が決まった時点で、講習を受ければいい」とするが、私立学校側からは「派遣を利用するのは明日からでも来てほしいという緊急事態のとき」との声も上がっている。

 教員免許更新制 教員の資質向上を目的に6月に教員免許法を改正。2009年4月以降の免許には10年間の有効期間が定められ、更新には30時間以上の講習が必要となる。施行前に授与された免許も講習を受けなければ失効する。教壇に立っていない「ペーパーティーチャー」は受講対象とはならず、採用が決まった場合に講習が必要。講習の内容や修了認定の基準などは、年度内に省令で定める。同省は不定期の採用も視野に、いつでも受講できる短期集中講習の開設も検討している。

教員免許の更新制について、よく考えたら、現役の教員だけでなく、派遣教員のように不定期に教職についている人や、そもそも免許だけ持っていて一般企業につとめていたりする人もいるわけですよね。
なんとなく、このことを、法律を作る段階では考えていなかったんじゃないかという気がします。
私も、全然意識していませんでした。と言うより、現役教員でけでなく、ペーパーティーチャーも対象だと思っていました。
どうも自動車免許のイメージが強くて。

でも、派遣教員だと、講習を予定していた時期に、いきなり仕事が入ったりしていけなくなった、なんてことにならないんですかね。

安倍流「教育改革」で学校はどうなる

小・中教職員2万1000人増計画について考える

自分が生徒・児童でいる間は、自分達と接していない時に先生達が何をしているのかはよく知りませんでした。
想像以上に、事務的な仕事が多いようですね。

小・中教職員2万1000人増 3年間で文科省計画』(YOMIURI ONLINE)という記事から。
 文部科学省は23日、2008年度から3年間で、全国の公立小中学校の教職員を2万1362人増員させる定員計画をまとめた。

生徒との時間を確保

 計画に沿って、来年度予算の概算要求で、現場教員のリーダーとなる主幹教諭や事務職員など、計7121人の増員を求める。教員が子どもと向き合う時間を確保するための措置だが、計画通り増員するためには、教職員定数の削減を規定した行政改革推進法(2006年6月施行)の改正が必要となる見込みだ。年末の予算編成に向け、財務省との折衝は難航が予想される。

 7121人の増員の内訳は、主幹教諭3669人▽事務職員485人▽特別支援教育の充実903人▽栄養教諭157人▽習熟度別少人数指導の充実1907人。文科省は来年度予算の概算要求で、教職員給与のうち国が3分の1を負担する「義務教育国庫負担金」について、対前年度比約1・8%増の1兆6957億円を要求する方針だ。


現在の、教員の職務分掌をそのままで、人数だけ増やすのは非効率なような気がします。

先生が子ども達と接する時間を確保するのであれば、教員を増やして負担を軽くするのではなくて、子どもと接しない時間を減らすことを考えないといけません。

学校には、事務職員がいると思いますが、この職員の役割と権限をもっと広げられないものかと思います。
いわゆる「事務員さん」ではなくて、学校を運営する行政職員として働いてもらうということです。

それによって、現在、先生方に強いられているさまざまな校務を減らすことができるのではないでしょうか。

それと、学校が受け持つ範囲そのものを減らしてしまう、というのも考えられないでしょうか。
例えば、クラブ活動。
施設は学校のものを使用するが、運営は学校ではなくて、別の組織で行うというもの。
生徒数減で団体スポーツが成立しなくなっているとも聞きます。
また、文化系のクラブであれば、大人やお年寄りと混成になっても面白いと思います。

ハーバード大学 基金運用成績について考える

そもそも、元手となるお金がないので、投資という世界には全く縁がない私ですが、大学関係でずいぶんと景気のいい数字がありました。

米ハーバード大運営基金、07年度運用成績は23%』(asahi.com)という記事から。
 [ボストン 21日 ロイター] 米ハーバード大学が運営する基金が発表した2007年度(06年7月─07年6月)の運用成績は23%となり、運用資産額は過去最高の349億ドルとなった。

 新興国市場や不動産投資のほか、プライベートエクイティへの投資が奏功し、2006年度の運用成績16.7%を上回った。

 同大学の投資手法は、資産運用業界でも注目されているが、他大学の基金の平均運用成績も上回った。

 ただ、前月には元ハーバード大学関係者が運営していたヘッジファンド「ソーウッド・キャピタル・マネジメント」が破たんしたことで、運用総額の1%に相当する3億5000万ドルの損失を出していた。

なんだかものすごい金額が出ていますね。
運用成績が23%で、運用資産が349億ドルということは、1年間の運用で、80億ドル=9300億円を稼ぎ出した、という理解でいいのでしょうか。

一般的にファンドの運用成績ってどれぐらいなのでしょう?
二桁%行くんですかね?

ちなみに、運用成績23%を5年続けると、元手は2.8倍になります。

日本の大学の予算とは、全く桁が違いますね。
同然、ファンドマネージャーはその成績次第で収入が変わるのでしょう。
アメリカの大学は、各分野でその道のプロを雇っているという印象があります。

日本の大学はどうでしょうか?
やはり日本企業と同じように、その大学の中でしか生きていけない人、多くないですか?
企業も少しずつ変わっています。大学で働く人たちは変わっていますか?

大学財政
データで見る大学財政の基礎知識(平成18年度版)

博士に就業体験について考える

小さい頃に、私が「博士」という響きに持っていたイメージは、世間離れした仙人のような人物像でした。
そうやら、そういう博士は、今の世の中では歓迎されないようです。

文科省、即戦力の博士養成・500人を就業体験に派遣』(NIKKEI NET)という記事から。
 文部科学省は2008年度から産業界と連携し、理系の博士課程の学生やポストドクター(博士研究員)を企業へ長期間派遣する「博士版インターンシップ」を始める。コミュニケーション能力や商品開発など事業につながる知識を獲得してもらい、即戦力の研究者を育成する。初年度は約500人派遣する計画。博士の高い専門知識を競争力向上に結びつける狙いだ。

 政府は科学技術立国の要として理系博士号取得者数を増やすとしており、毎年約6000人の理系博士が誕生している。しかし就職難の状態。日本経団連の調査では企業の技術系採用者に占める博士は2.9%。専門知識を評価する一方、コミュニケーション能力や協調性の欠如などを敬遠理由に挙げている。

この500人をどうやって選ぶのでしょうか。

「このままではダメそうな人」500人だとしたら、なんだかJRの日勤教育のような懲罰みたいにとらえられてしまいます。

即戦力になりそうな500人が選ばれるのであれば、それは、院生・ポスドクの中にも競争意識が芽生えてよさそうです。
でも、そういう人たちは、自分でもキャリアパスを築くことができるでしょうから、ポスドク問題などの解決には直接つながりそうにもありません。

500人と限定せずに、全員にしてもらえればいいと思いますよ。
医師は全員が病院実習に出ていて、それでも医師としての倫理感、人間性などが問題視されているぐらいなので、やるだけではダメなんだと思いますが。

さあ社会人よ「博士」になろう!
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