October 2019  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

著作権問題で問題集から長文が消える について考える

少し前にも、この問題に関連して、下のようなエントリーを書きました。
教材・HPでの作品無断使用に対して、作家が予備校を提訴 について考える

現在、物別れの状態ということでしょうか。

出版社には、著作権料を払って、値段が高くなって、問題集が売れなくなるなら、出版しないという選択肢があります。

著作権者は、そもそも問題集のために書いているわけではないから、それで著作権料が入らなくても問題はない。

結果的に困るのは、生徒です。

問題集から長文が消える 著作権で引用できず 』(msn産経ニュース)という記事から。
 大学入試の過去問題集などで、国語の長文読解問題の一部が掲載されない異例の事態が起きている。評論などを執筆した作家から著作権の許諾が取れていないためだ。教育業界では「教育目的」という大義名分のもとで無許諾転載が慣例化していたが、著作権保護意識の高まりから、大手予備校や出版社などが相次いで提訴されており、引用を自粛する傾向も目立ち始めている。(小田博士)
(後略)

まず、分かりづらいのは、「正当な利用料を支払えば問題集への引用を認めるつもりだが、その利用料で揉めている」のか、「利用料に関わらず、そもそも問題として利用されることを拒否しているのか」というところ。

日本ビジュアル著作権協会理事長のコメントを読むと、前者のように思える。
それであれば、料金基準に基づき、利用者側は、その基準が正当であると認められるなら支払うだろうし、割高だと感じれば利用しない、という判断を下せばよいというだけの話。
実際に、問題集から長文が消えているということは、割高だと判断されている、ということ。

どうしても、問題集に使いたいのであれば、利用者側も団体を作って、そこで料金基準の見直しなどを求めるしかないでしょう。
問題集のためにオリジナルの文章を作っても、その費用は必要なわけですから、利用者側もまったく払わないということではないでしょう。

難しいですね。
なんとなく、インターネット上のコンテンツの著作権論議を想起させます。

YouTubeなどの動画投稿サイトは、間違いなく著作権を侵害しているわけですが、一方で、これを使ってプロモーチションをしようという著作権者もいます。
音楽業界では、Radioheadがリミックスされることを前提としたパーツごとの音源を配信したり、Nine Inch Nailsがアルバム一枚を完全に無料で配信したりと、従来の著作権の考え方を超えるような動きもあります。

問題集への引用では、実際の使われ方を前提とした論議がなされているのでしょうか。
著作権者が求める利用料を出版社が払った場合には、問題集の値段が○○○円になる。これでは、高校生が買える値段ではない。これぐらいのラインにはならないものか、といった議論はされているのでしょうか?
著作権者側に、「これもプロモーションだと思え」と言うつもりはありませんが、問題集は入試のためだけにあるものではありません。結果的に生徒の読解力が育たなければ、さらに本を読む人間は減っていくということも頭には入れておいて欲しいところです。
pagetop