高浜行人、片山健志
2017年度に私立大学がどれだけ入学定員を増やすか、文部科学省が今春、申請を受け付けたところ、全体で前年の2倍の7千人超となり、うち大規模大学(収容定員8千人以上)が計3866人(11大学)と前年の3倍に急増した。6月に文科省の審議会が認める見通し。文科省が地方創生策として大規模大の学生数を抑える策を18年申請分(19年度分)から本格導入する前に、大規模大が駆け込み申請した格好だ。(後略)
文科省としては、この政策の現状認識とターゲットは「これ以上、都市部の大規模大に学生を集中させない」なのか、「現状、都市部の大規模大に学生が集中し過ぎなので、これを分散させる」なのか、どちらなのでしょうね。
前者だとしたら、今回の各大学からの申請は、これまで定員を超過して入学していた学生を定員の中に収めて、今後これまで通りの学生を受け入れてもペナルティにならないようにする策なので、政策のねらいからは大きくズレるものではありません。
以前のエントリーで書いた、「適正定員から上限定員へ、定員の意味合いが変わる」ということを踏まえた一手と言えるでしょう(まあ、上限ぎりぎりまで学生を確保しようとするとは思いますが)。
後者だとしたら、現状、超過している分を囲い込む策ということになりますので、政策の狙いからはハズれることになります。
申請する私大側を批難してもあまり意味がありませんので、設計が甘いということになりますね。
さて、どうなんでしょう?
comments