まだ大学の広告の仕事をしていた頃、ある国立大の広報担当だという先生と話をする機会があってのですが、どうも話が噛みあわなかったのをよく覚えています。
こちらは、学生募集であったり、研究のPRであったり、何かしらの目的があっての広報の話をしているのですが、どうも相手は、求められた時にどのように対応するか「情報公開」の話をしているんですね。
それも必要なのですが、根本的に立ち位置が違うのだと驚いたものです。
さすがにもう、そういう時代ではないですよね。
京大、中高生向けに“めんどくさい”モバイルゲームサイト開設、回り道精神を体現(インターネットウォッチ)という記事から。
国立大学法人京都大学は、中高生を対象としたモバイル向けのゲーム型サイト「探検!京都大学」を5月13日に開設する。
京大では、2014年10月の山極壽一総長就任を機に開始した「主体的に仕掛けるブランド戦略」の一環として、昨年4月に同名の特設サイトを開設している。「既存の学問領域から飛び出して、様々な知識に触れ学びを深める」という同大学の“回り道”の精神から着想を得て、“めんどくささ”を追究したサイトになっているという。(後略)
紹介されているページはこちら。
「探検!京都大学」
「すぐに答えが見つからないめんどくささを楽しいと思える体験を提供する」という趣旨には、大いに賛同するものがあります。
でも、教える側の方々も、すぐに答えを欲しがりますよね。
「事例を教えてほしい」というのは、ホントによく聞くリクエストです。
もちろん、いろんな事例を集めて、それを評価・分析して、自分の状況にあった指導をしたいということであれば、それはそれでいいと思うのですが、「正答があれば、それをそのままコピーしたい」という思いの方が強いのではないでしょうか。
正答を自分で探す過程こそ重要で、その経験が、また新たな問題に出くわした時に活かされるのだと思います。
それが、体感できるようなサイトになっているといいですね。
さらに、学問とは、解決する問題そのものを自分で作るもの。
大学側が用意したコンテンツだけではなく、どんどんめんどくさい問題をユーザー側から提起していくような、そんなサイトであってもいいですよね。
管理がめんどくさいですが、めんどくさいことに意味があるのですから。
ただ、このゲーム型サイト、最初に自分が文系か理系かを選ぶようになってるんだけど、それでいいのでしょうか?
その後で、何か仕掛けがあるのかもしれませんが、文系・理系を分けること自体には、疑問を投げかけなくていいのでしょうか?
「文系とか理系とか何だよ?」と違和感を感じる中高生の中には、期待できる生徒がいるかもしれませんよ。
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