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東京5大学合格、大半が首都圏の高校 について考える

「受験生の地元志向」という言葉は、私が大学業界で働き始めた20年ほど前から、ずっとずっと言われ続けてきています。

10年ほど前には、早稲田大の方と「このままだと関東地方の一大学になりますね」といった話もしていました。

早稲田大はもともと地方からの受験者が多い大学ですから、その変化は大きかったことでしょう。

東京5大学合格、大半が首都圏高 東大・早慶など、30年で1.4倍(朝日新聞)という記事から。
 東京大など東京都内の有名5大学で、今春の入試合格者の75〜55%を首都圏の高校出身者が占め、30年間で約1・4倍に増えていることがわかった。下宿生の経済負担増などが背景にあるとみられる。地方出身者の東京離れを食い止めようと、大学側は奨学金新設などの対策を始めている。(岡雄一郎)(後略)

東京の大学にとってみれば、大学の多様性がどんどん薄れていくわけですし、近隣の学生だけを対象にしていたのでは、学生募集の競争も厳しくなるわけで、大問題ではありますが、各地方に大学がある今、地方の学生が地元の大学に進むこと自体は、特に何の問題もない話ではあります。
(あまり人の流動性がなくなってしまうのも、どうだろうか?という気はします)

今、地方の国立大の学生層は、かなり広がっているという話をよく聞きます。
以前であれば、東京の難関大に進んでいた層が、経済的な事情もあって地元の国立大にとどまる一方で、選抜方法の多様化もあって私立大に進学していた層も入学してくる。

これらの学生をひとくくりで指導するのは、なかなか難しいですよね。
それでも、優秀な学生が入ってきているなら、地方の大学にとっては、これはチャンスと考えるしかないですよね。

「最低限ここまでは育て上げますよ」というミニマムスタンダードを意識した教育をデザインする一方で、それでは物足りない優秀な学生についてはオナープラグラムのようなものを準備して、東京の大学に行かなくても大丈夫だと言える環境を作る。
こういう時にこそ、教養系の幅広い分野の教員を揃えているメリットが活かせるはずです。

地方の国立大では、文系学部が要らないとかそういう問題の前に、どういう学生を集めて、どういう人材に育て上げるかという点から考えていった方がよさそうな気がします。
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