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奨学金が支えるFランク大学の葛藤と不安 について考える

少し前に、日本の奨学金制度は貧困ビジネス化しているといった記事が話題になりました。

このブログでも取り上げています。
奨学金制度の「貧困ビジネス」化 について考える

学生支援機構は行政の執行機関であって、奨学金を貸して回収することで利益を追求しているわけではないので「貧困ビジネス」と呼ぶのが適当ではないとも言えます。

そうなると、このビジネスでいちばん恩恵を受けているのは、奨学金を受けないと大学に進学できない学生を客としている大学とも言えそうです。

奨学金が支える「Fランク大学」の葛藤と不安 1300万円のハンデを負って通う価値はあるか(東洋経済オンライン)という記事から。
関田 真也 :東洋経済オンライン編集部 記者

安倍晋三首相は3月29日、ついに給付型奨学金の導入を発表した。これまで、日本においては民間や大学によるものを除けば、純粋な給付型の奨学金は存在せず、長らく批判を受けてきた。文部科学省も検討チームを立ち上げて本腰を入れており、給付型の実現に向けて本格的に前進していくだろう。

誰しもが経済的負担を感じることなく、自分の望むままに教育を受けられることは理想だ。しかし、もし高等教育を公費で賄うことを目指すなら、学費を売り上げとして計上している大学が、学生にどのような教育サービスをおこなっているのかを、改めて検討する必要があるだろう。

大学はATMが設置されたパチンコホール?

しかし、「大学」と一口にいっても様々な形がある。教育現場の実態については、必ずしもよい話ばかりが聞こえてくるわけではない。今回、取材に協力してもらったのは、埼玉県上尾市にある聖学院大学。経済学部の柴田武男教授は、次のように話す。(後略)


記事の中のコメントの一部「学生と一緒に奨学金の返済計画を立てたり、われわれも指導できれば」
これが必要だと思っています。

高等学校のキャリア教育の中で、ライフプランを立て、いつどれぐらいのお金が必要になるか、そのためにどれぐらいの収入が必要かをシミュレーションするような指導をしている事例があります。

本当は、その上で、借金をしてでも大学に進むべきかどうかを考えるべきなのでしょうが、そういう機会のある学生ばかりではないので、だったら大学に入ってからでも、ということです。

だからこそ、以前、日本学生支援機構、大学別に奨学金の未返済率を公表へ について考えるというエントリーの中で、大学ごとの未返済率を公表するメリットとして「借金させて卒業したら後は知らないという大学なのか、在学中も卒業後も細かに学生の状況を把握し助言をする大学なのかといった違いが明らかになる」という点に期待していたわけです。

そうなってくると「卒業生の奨学金完済率は○○%!」といったPRの方法もあるでしょう。

この記事の聖学院大も、そういうところを狙っているのかな、と思ったりします。

ただ、記事では触れられていませんが、大学側のジレンマは、もう1つあるはずです。
手厚く学生の面倒を見るということは、それだけ教育のコストが上がるということであり、現在の学費の中でそれが賄えなくなれば、今度は授業料を上げるかという話になってくる。
奨学金を返せるかどうかという話をしているにもかかわらず、さらに学費を上げる話に行き着いてしまう。

そのバランスをどうとっていくか、難しいところですが、丁寧に学生を追っていけば「ここまでの学費は回収できるだけの力はつけさせる」といったラインを引くこともできるのではないでしょうか。
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