大学に関する仕事をするようになって、高等学校の先生から今の進路指導の話を聞くと、「私の母校は、進路指導なんてなかったな」と思わされます。
母校の特性なのか、受験も厳しい時代だったので、どこでも同じようなものだったのかは分かりませんが、「将来のことを見据えて、志望大学・学部を選びを」なんてことは、ほとんど考えていませんでした。
もちろん、そういう進路指導が一般的になったからといって、みんなが将来のことを考えて大学に入学するわけではありません。
将来を考えて大学に入った人は約6割! 残りの4割は「働きたくなくて」?!(マイナビ学生の窓口)という記事から。
自分の将来を真剣に考えた場合、大学選びは慎重になりますよね。できれば夢を叶えるためにも、理想的な大学へ入学したいものです。しかし、なんとなく周囲に流されて進学したという人も少なくないはず……そこで今回は大学生のみなさんに、大学選びについて聞いてみました。
Q.あなたは将来を考えて大学に入りましたか?
・はい……62.9%
・いいえ……37.0%
6割以上の方が、将来のことを考えて大学に入ったようですね。みなさん、それぞれどんな意見だったのでしょうか。(後略)
「まあ、そんなもんだよね」というところでしょうか。
「働きたくない」にも、「絶対的に」働きたくない人と、「とりあえず今は」働きたくない人の、2種類があるのではないかと思います。前者は少数派でしょう。
とりあえず今は働きたくない人も、やりたいことがないという人も、高校卒業時にニートになるわけでもなく、なんとなくアルバイトをするわけでもなく、大学進学という選択をしたわけですから、何かしらの期待があるはずです。
この辺り、大学側の感覚とのズレはないでしょうか。
「今の学生は、大学の授業はともなく、就職のことには一生懸命」といった学生像を描いているのだとしたら、ちょっと違うような気がします。
「とりあえず」と考えている学生に、就職活動に向けたプログラムをガンガン突っ込んでいっても、ダメですよね。
今の大学入試改革の議論では、学力あるいは能力という点で高校から大学への接続を図ろうとしています。
ただ、さらにその先の「仕事」に着地できるかという点では、キャリア教育の一貫性は議論のターゲットにはなっていないですよね。
スキルやコンピテンシーとは別に、キャリアデザインの接続ということも今後は話題に上がってくるのではないでしょうか。
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