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米ハーバード大、一部の学部入試で学力テストを選択制に について考える

今、日本で議論されている新しい大学入試のシステム、当初は「学力試験は全廃」ぐらいの勢いがありました。

もちろん、それは非現実的ですし、間違っているとも思います。
実際に、さまざまな面でトーンダウンをしてきました。

ただ、アメリカのハーバード大では、抜本的な入試改革の準備をしており、その中には、学力テストなしで選考するというプランも進んでいるそうです。

米ハーバード大、入試から学力テスト“追放”へ(日経ビジネス)という記事から。
長野 光
 今年1月下旬、米メディアの報道が世界的な株安や米大統領選に集中する中で、とあるニュースに目がとまった。世界最高峰の大学の一つ、米ハーバード大が入試制度を抜本的に改革するという。報道によれば、当たり前のように実施されている学力試験を、必須ではなく選択制にするのだとか。あのハーバード大が学力試験をやめる――というニュースは、米国民に驚きを持って迎えられた。(後略)

まずは、この記事のどこをどう読んだら「入試から学力テスト“追放”へ」という見出しになるのか、謎です。
理系では学力試験が必要だと言っているし、実際は学部や学科によってSATを選択制にするということなので、「追放」なんて話ではありません。

先日、「増加する大学AO入試、弟子のオーディションとの指摘も について考える」というエントリーで、東大の推薦入試の話題から、自分で実際に経験して身につけるような能力が入試で評価されるようになると、経済的な格差の入試への影響が大きくなるかもしれないという懸念を書きました。

ただ、ハーバードは、ちょっと考え方が違うようですね。
学力テストを課さないのは、低所得で十分に受験勉強の時間がとれない層に向けての制度改革だと読めます。

グループの中で活動する能力や問題を自分で解決していく能力、相手の立場に立ってものを考える能力などを、家事労働やコミュニティへの参加といった社会経験を通して、知識として身につけているのだ、と。

ただ、これに対応するためには、単に「家事を手伝った」という活動の事実だけでなく、その中で自分が何を考え、実行に移し、そこから何を学んだかというメタ認知のプロセスが大切です。

学校の教員や、家族、コミュニティの中の大人たちが意識して、要所要所で自分の活動を振り返る場面を作って、また、それに対して大人もフィードバックして…といったことが必要になってくるのでしょう。

「親や大学、高校が一丸となって入試制度を見直していく必要がある」というのは、そういったことを意味しているのではないでしょうか。
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