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奨学金制度の「貧困ビジネス」化 について考える

奨学金制度の問題については、これまでも何度も取り上げてました。
以前に一度、このエントリーで振り返っています。
奨学金返還訴訟、8年で100倍 について考える

返還しない者にもゆるく対応していたという問題から、回収が強化され、返還できない者が追いつめられるという問題に変化していっていることがよく分かるかと思います。

これは学生支援機構だけの問題ではないですよね。

奨学金が「貧困ビジネス」と言われる根本原因 日本の「教育の機会平等」がはらむ歪みとは?(東洋経済オンライン)という記事から。
関田 真也 :東洋経済オンライン編集部 記者

「50歳を越えても返済が続く。とてもではないが、結婚や出産は考えられない」
「返済のためにアルバイト漬けになってしまうので、大学を中退せざるをえなかった」
奨学金の貸与を受けた人から、こうした悲痛な声が上がっている。本来人生を豊かにするはずの教育への投資が、逆に人生の選択肢を狭めることになっているという、深刻なものだ。

奨学金と言えば、世界標準ではスカラシップ、すなわち返済不要の給付型のものを指すのが一般的だ。しかし、日本の場合は海外留学向けのもの以外は原則として貸与。平たく言えば、学生個人が負う借金である。

日本において、高等教育における費用は、それぞれの家庭が負担することが普通だ。もし家庭に経済的余裕がなければ、学業と平行して自力で資金を捻出しなければ、学生生活を送ることは難しい。日本の奨学金事業の9割近くを担う独立行政法人日本学生支援機構は、「『奨学金』は、自分の力で有意義な学生生活を送り、将来の夢をかなえるための貴重な手段です」と学生向けガイドブックの中で強調する。

奨学金制度は、ビジネスと化しているのか

しかし、奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士は「日本の奨学金制度は、利用者である学生のためのものではなく、『貧困ビジネス』となっている」と批判する。一般的に、「貧困ビジネス」とは、貧困層をターゲットにした、貧困を固定化するビジネスモデルである事業のことをいう。教育に対する援助としての位置づけであるはずの奨学金制度が、どうしてここまで罵倒されてしまうのか。(後略)

そもそも支援機構は行政の執行機関であって、奨学金を貸して回収することによる利益を追求しているわけではないので「貧困ビジネス」と呼ぶのが適当ではないかもしれません。

ただ、借りる側にとっては、やっていることが貧困ビジネスの代表格であるサラ金などと同じように見えてしまうということですね。

それが記事内のコメント「入口は奨学金事業の性格を持ちながら、出口は金融の論理で行われているというねじれ現象が、奨学金問題の本質」というひと言でまとめられています。

入口の奨学金事業だけで見れば、奨学金に対する国の予算が増えれば、給付制の奨学金や、無利子の奨学金を増やすこともできるはずで、学生支援機構だけで解決できる問題ではないとも言えますね。

有利子の奨学金事業、つまり学資ローンは民間に任せて、それを返還できなくなった奨学生へ支援や、その民間の学資ローンを借りることのできない学生への支援など、いわゆるセーフティネットの部分だけを国が担うというのも、一つの考え方ではないでしょうか。
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