以前、ある地方私立大の入試広報担当の方が、こんなことを言っていました「本学は、Fランク大だけど、この県がそもそもFランク県だからね」
まあ、自虐をこめてだとは思いますが。
でも、この言葉の中には、「うちの大学の人気がないのは、大学のそのものの問題よりも、その立地・環境の問題」という思いがないこともないのでしょう。
「
私大生、地方に分散進む? 文科省「定員超過」に罰則強化」(朝日新聞)という記事から。
(佐藤恵子、石山英明、岡雄一郎)
大都市圏に集中する私大生を地方に分散させようと、文部科学省が「定員超過」へのペナルティーを強化する。2016年度から順次始める予定だ。定員割れに悩む地方私大は歓迎する一方で、効果を疑問視する声も強い。(後略)
この、問題については、以前、こんなことを書いています。
「
大都市で私大の定員超過ペナルティ厳格化を検討について考える」
「目的と施策がずれってしまっている」「受け皿が地元にあるの?」「定員割れのペナルティを緩めることもセットでやらないと」などなど、いろいろな懸念点があり、あまり筋のよい施策には思えませんでした。
今回の記事でも同じようなことが書かれていますね。
最期の方のコメントでは、「受験生の志望校が大都市圏で難易度の低い大学に変わるだけ」となっています。確かにそうでしょう。
さらに、その下の層になってくると、もともと学習に対しての意欲が低くなってきますから、「それなら大学でなくてもいい」となります。専門学校となると、やはり都市部の方が選択肢が広がります。
一方で、近年は地元意識の高まりも感じます。
昨年流行っていた「マイルドヤンキー」も、地元志向の強さの表れでしょう。
(自立していないので、実家から離れられないということもありそうですが)
できることならば、ずっと地元で育って、地元で働きたいという若者は多いのではないでしょうか。
この施策は、都市部へ流入する若者を突っぱねる策ではありますが。あるいは、都市部の若者が、地元で学ぶことを制限する策でもあります。
そして、地方の若者が、地元で学び、地元で働くことの魅力を高める策ではないのですよね。
もともと地元意識の高い若者の受け皿になるとは、とても思えないのです。
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