December 2017  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

日本の高校からハーバード大に進学した理由 について考える

高校生を対象に進路関係の調査をしたりすると、「高校を卒業したら、海外の大学へ」というのが、まだ少数ではありますが、確実に存在しているということがよく分かります。

日本の大学のピラミッドのさらに上にあるものとして、海外への進学を考えるというよりは、別のものを求めているのではないか、とも思います。

日本の高校を卒業して、ハーバード大へ進学した学生へのインタビュー記事です。

僕が日本の高校からハーバードに進学した理由 学力のレベルが“平均的に”高いことは重要でなかった」(日経ビジネス)という記事から。
染原 睦美
 毎年5月から6月にかけて発表される高校の進学状況。各校が大学別の合格者数や進学者数をホームページなどで公開する。この進学状況が、数年前から徐々に様変わりをしていることをご存じだろうか。新たに「海外大学」という欄を設ける学校が増えているのだ。

 その状況は、特に東京の進学校で顕著だ。例えば、開成学園の場合。2013年から海外大学の進学者数を発表し、年々進学者数は増えている。渋谷教育学園渋谷中学高等学校の場合は、毎年の進学者数こそ公開していないが、2007年以降に進学した海外大学名をずらりと並べている。それまで2〜3人だった海外大学への進学者数は、2年前から10人前後と一気に増えているという。

 開成学園で海外大学へのサポートを担当する柴田威氏は、「Facebookなどによって海外にいる卒業生や海外大学に進学した学生と交流が可能になったり、大学の頃の仲間と起業をしたという米国の起業家が現れたり、といった影響が大きいのかもしれません」という。

 実際なぜ高校生が海外にその目を向けるのか。2014年にハーバード大学に進学した開成高校出身の大柴行人氏に話を聞いた。

なぜ日本の大学ではなく、海外を志向したのでしょうか。(後略)

サブタイトルにもなっている「全体にレベルが高いということは、自分にとって特にプラスでもマイナスでもない」という言葉は印象的です。

よく日本の大学受験において「少しでも入試難易度の高い大学へ進学した方がいい」という価値観の裏付けとして、「よりレベルの高い学生の中で、揉まれるから」という考え方があります。

間違いではないと思いますが、「それって、大学としては何をしているの?」ということになっちゃいます。
レベルの高い学生を集めたら、あとは、学生同士で適当にやってくれというものではないでしょう。

受験生は、学生を選ぶのではなく、大学を選ぶのですから、全体的なレベルの高低ではなく、自分のレベルをどうやって上げられるかという大学の教育システムを大切にするということですね。

そして、ハーバード大の場合、学生のレベルにばらつきがあるから、それに応じたクラスを作っているというのも、納得感があります。


そして、「レベルが高いというのは、扱っているレベルが高いというのであって、それが教えるレベルが高いということとは別問題」という言葉も光ってます。

扱っているレベルが高ければ、レベルの高い授業だと思っている方は多そうです。
しかし、いくら扱っているレベルが高くても、それで学生が学ぶものがなければ、当然、授業としてはゼロであるということでしょう。

それが、「教育の質=レベルの高さ×教える環境」という表現になっています。
教える環境がゼロなら、掛け算ですから、教育の質はゼロになります。
(まあ、実際に教える環境がゼロということはなかなかないのでしょうが)

「偏差値ではなくて、教育で大学を選ぼう」というのは、よく言われることですが、なかなか難しいこと。
でも、確かに彼は教育で大学を選んだのでしょう。

ただ、問題は、そこまで、大学の教育システムを知る機会がなかなかないということですね。
pagetop