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文科省方針:卒業要件厳格化へ について考える

日本の大学は入学するのは難しいが、卒業するのは簡単・・・よく言われることです。

ただ、厳しくすればいいのかというと、それで留年したり、結果的に退学していく学生が増えていけば、その学生の面倒を見るために、社会的な負担が増えることになります。

厳しくすると同時に、そのハードルをどやってクリアさせるかというところも、一体的に考える必要があります。

大学:卒業要件厳格化へ…15年度に省令改正 文科省方針」(毎日新聞)という記事から。
 文部科学省は大学入試改革の一環で、各大学に対し入学者の「受け入れ方針」(アドミッションポリシー)や卒業させる学生像を明確に定めた「卒業方針」の策定を義務付ける方針を決めた。国は大学入試と大学教育の一体改革を目指しており、「入り口」の入試改革を進めると同時に「出口」である卒業要件を厳格化。卒業する学生の質も確保することが狙いだ。来年度中に省令である大学設置基準の改正を目指す。【三木陽介、坂口雄亮】(攻略)

具体的な議論の内容はわかりませんが、「卒業方針の策定を義務付ける」というだけでは、「厳格化」という文脈でのニュースにはならないでしょう。

すでに、多くの大学でディプロマ・ポリシーが策定され、公表もされています。
ただし、これは形式的なもの、もっと言えば「作文」であって、そこに定められた卒業に必要とされる知識・能力を学生が達成できているか、ひとりひとりの学生を吟味しながら卒業判定をしているような大学はないでしょう。

そのポリシーに基づいてカリキュラムが構築されているので、定められた単位を修得することにより、ディプロマ・ポリシーを達成したと見做す、ということになっているのでしょう。

ディプロマ・ポリシーを策定して、公表するところまででは、「厳格化」とは言いません。
学生がディプロ・マポリシーを達成できているかを評価するところまで求められるということなのでしょうね。

だとすれば、どうやって評価するのかという大きな課題にぶつかります。

これまで通り、既定の単位の修得・・・ということを続けるのであれば、ディプロマ・ポリシーとカリキュラムとの整合性を厳しく見られることになるでしょう。
あるいは、学部レベルでは、それぞれの分野の専門性も必要ですが、ジェネリック・スキルの比率も高いはずです。
そうなると、卒業論文の重要性が高まるのではないかとも考えられます。
真っ当に卒論指導をしていけば、その課程においては、課題の設定、情報収集力、分析力、思考力、判断力、表現力といったスキルが必要とされます。
卒論指導において育成すべき能力を先生方が共有して、評価基準を作成して、きっちりと評価していく。
それが、ディプロマ・ポリシーに則ったものであれば、充分に卒業要件の厳格化ということになるのではないでしょうか。
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