December 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

入試改革:求める学力レベルを出願条件として募集要項に明示 について考える

ここのところ、入試関連の話題が続いています。

センター試験を廃止して導入する新しいテストでは、1点刻みの得点ではなく、いくつかの段階別の評価をするということになっています。

以前のエントリーでは、「いっそのこと点数もつけずに設問ごとに正解・不正解という元データを大学に提供してはどうか」と書いています。
センター試験に代わる達成度テスト・発展レベル、素点の提供も検討 について考える

どうやって段階別に評価するのか分かりませんが、さらに、どの段階の受験生に受験してほしいかを各大学が明示するようになるという話が出てきているようです。

学力レベルを募集要項に 文科省が大学入試改革」(日本経済新聞)という記事から。
 文部科学省は大学入試改革の一環で、各大学が出願に必要な学力レベルを募集要項で受験生に提示するよう求める。大学入試センター試験に代わる新共通テストが導入される2021年度入試から適用する。集めたい学生像を各大学に明確化させ、特色の強化や教育の質の向上につなげる狙いがある。(後略)

現在検討されている入試改革は、アメリカの大学入試制度を参考にしているのだと思いますが、アメリカの大学でも必要となるSATのスコアなどは明示はしていないですよね。

スコアが少々低くても、他の面で特筆すべきことがあれば合格するでしょうし、スコアだけがいいような学生は合格できない。
総合的に判断するからこそ、そういうものは出せないのではないでしょうか。

できるできないは別にしても、大学が自ら「うちの大学はこのレベルです」と宣言するようなもので、「序列化を進める」と否定的な意見が集中するのは目に見えていますので、このような時にはあえてポジティブに考えてみようかと思います。

「どの段階の成績なら受験可能かを出願条件に明示」となっています。
つまり、「これより下は、受験できません」というものです。
したがって、大学の方針により、そのラインの引き方はさまざまということでしょう。

「共通テストがどんな成績であろうと、個別試験を受けてもらって総合的に判断する」という大学は最低レベルで出せばいい。
「どれだけ総合点が高くても、このレベルの数学ができなくては困る」という大学は数学だけ必要とされる最低レベルで設定して、あとは余裕をみてラインを引けばいい。

現在の入試難易ランキングは、それぞれの事業者が「合格率○○%の偏差値ライン」という共通の基準で引くから、ランキングになるわけです。
各大学がバラバラにラインを設定するのですから、それを並べてみても、今の入試難易ランキングのようなものになるかどうかは分かりません。

出願条件ではあるけれでも、合格するかどうかの指標にはなりません。
(まあ、無理矢理ランキングの形にするのでしょうが)

ただ、これを実現するためには、新テストが、常に絶対的な評価が可能であるということが前提となります。
複数回受験可能で、しかも実際の受験生には現役生も浪人生もいるのです。
昨年のレベル5と、今年のレベル5は同じでなければなりません。
それが保証できなければ、大学側も事前に「このレベルで」とは明示できません。

なかなか、ハードルが高いですね。

代わりに、というわけではありませんが、前年の入試結果データとして、レベル別の合格率を公表してみてはどうでしょう。
その大学の選抜方法として、新テストを第1次選抜的に使っているのか、新テストのレベルはあまり関係なく逆転可能なのか、あるいは新テストの比重が高いのか、その大学の方針がよく分かるのではないでしょうか。
pagetop