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鹿児島県伊佐市:難関大進学で奨励金100万円を支給 について考える

以前、こんな事例を取り上げたことがあります。
北海道の高校:現役で国公立大進学で年50万円の補助 について考える

「経済力がないために大学進学をあきらめずに済むよう・・・」という建前ではなく、高等学校の評価につながる進学実績に貢献した報奨金なのだから、素直に「学校振興報奨金」として支給すればいということを書きました。

公立学校であっても、学校の統廃合が避けるためには、生き残っていく大前提として、進学実績を上げ、生徒を確保しなければならない、ということです。

難関大進学で奨励金100万円支給する市」(読売新聞)という記事から。
 鹿児島県伊佐市は、市内にある県立大口高校(生徒数267人)から難関大学に進学した生徒に対し、最高100万円の奨励金を支給することを決めた。
 進学希望者の定員割れが続く中、優秀な中学生の市外への流出を防ぐのが狙い。市議会は12日の臨時議会で、奨励金を含む大口高校活性化基金5000万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を可決した。(後略)

もともと鹿児島県は、下宿してでも鹿児島市内の進学校に通うような土地柄だと聞きますので、「地元の学校で大学進学を目指す」という意識は弱いのでしょうね。

県が「ここが、奨励金が出る難関大ですよ」と認定してしまうことには、どうしても違和感がありますが、そのことは横に置いても、このやり方で実績が上がるのかは疑問です。

進学校には、レベルの高い生徒が集まるだけではなく、教える側にも受験指導のノウハウが蓄積されています。
また、進路行事などにも協力してくれる先輩たちの存在もあります。
そういったことが全部集まって、進学校の伝統を作っていきます。

そういったものは、奨励金のシステムでは期待できません。
スポット的に参加する予備校講師の講義にどれほどの効果が期待できるのでしょう。
この手の講座は、生徒に対するものというよりも、先生方の研修の意味が強いのではないかと思っています。

生徒にとっては、「奨励金は欲しいけれど、そもそも合格できなければ意味がない。どうやって合格できるの?」ということになりませんか?

難関大を目指す生徒を引き止めるのであれば、「市外の高校に進学しなくても、難関大合格を目指せる」という状況を作るべきでしょう。

ならば、進学実績のある高校と連携して、進学校の生徒たちと一緒に進路行事や講習に参加できるような仕組みを作ったりする方がいいのではないでしょうか。
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