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慶應が「IT入試」を導入する深い事情 について考える

2003年から、高等学校のカリキュラムで必修となった教科「情報」。
しかし、かつて「未履修問題」「履修逃れ問題」として明らかになったように、実際の教育現場では軽視されてきました。

実際には、数学の授業をやっていたり、進路学習に充ててお茶を濁したり・・・。

軽視される理由のひとつは、「入試で課されないから」です。
では、入試で課されるようになると、どうなるのでしょう。

慶応が「IT入試」を導入する深い事情 村井純教授、「IT教育のここが足りない」」(東洋経済オンライン)という記事から。
小宮山 利恵子 :グリー 政策企画室

(前略)
――慶應がIT入試を始めると話題です。

2016年から「情報」を選択科目として入試に入れます。すでに2012年12月にアナウンスしていますが、それは高校生に対するメッセージだったのです。「もしSFCに来たい子がいたら、これから情報の科目を取っておくといいことがあるかもしれないよ」という。

――いったいその狙いは何ですか?

もともと慶應では、情報教育を1990年の設立当初から行っていました。当時、ラップトップPCを全員が使う情報教育を行っていたのは日本では慶應SFCしかなく、米国でも1校もなかったのです。ただ、ある年、高校の教科として情報を入れるという革命的なことが起きました。それで、慶應としては、「コンピュータができる子が、これから大学に入ってくるんだ!」と思ったのです。しかしふたを開けてみると、これが全然できやしない(笑)。

さらに2012年の高校1年生から、教科数学の中からプログラミングが外れてしまいました。その子どもたちが大学に入ってくるのが2016年。入試の科目にもなっていないから、ますます情報教育を高校でやらなくなっています。そうしたことから、次のカリキュラム改訂でやはり大学で教えないとダメだと悟り、SFCでは全員がビッグデータ解析をできるようなカリキュラムにしたのです。
(後略)

慶應SFCと言えば、日本における情報教育の先駆け。
学生全員にコンピュータリテラシーを身に着けさせるということを最初にやった大学ですね。

それが、時代が移り変わり、「ある程度のプログラミングやデータ処理の力」を身に付ける必要があるとのこと。

つまり、コンピュータの使い方が身に付いているだけではなく、「コンピュータを使って、問題を発見し、解決までできる力」を身に付けるというところまでを求めるようになったということですね。

とても、納得感のある話です。

入試が変わろうとしているのですから、高校までの教育が変わるでしょうか。

高等学校の先生方にとっては「何をしてくれるんだ?」と捉えられるかもしれません。
あるいは、「まあ、選択だから、コンピュータができる生徒には有利になるのかな」程度に流すかもしれません。

でも、入試で課すかどうかは別にして、文系も理系も関係なく全ての学生に「ある程度のプログラミングやデータ処理の力」が必要だと言われているのです。
「情報」を避けて進学した生徒たちは大丈夫でしょうか。

そこで、「コンピュータを使って、問題を発見し、解決までできる力」というゴールを決めれば、何ができるようになればいいのかが分かりやすくなるのではないでしょうか。

例えば、総合的な学習の時間で、本気で探究活動に取り組めば、文系のテーマであれ、理系のテーマであれ、ビッグデータほどではありませんが、なんらかのデータの処理が必要になってくるはずです。
数学の一分野として統計などを学ぶのではなく、コンピュータを使うことを前提にして最初から実践のためにデータを活用することを学んでいく。

こうなると、いよいよ誰が教えるんだ?ということになってきますが、ここで大学の先生方と一緒にプログラムを作っていくことが、高大接続ということになるのではないでしょうか。
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