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奨学金返還訴訟、8年で100倍 について考える

学生支援機構の奨学金については、このブログを始めてから、たびたび取り上げてきました。
財務省奨学金事業の見直し検討について考える
日本学生支援機構 奨学金返済の延滞率の高い大学を公表へ について考える
学生支援機構 奨学金返済遅延を信用機関に通報へ について考える
日本学生支援機構:奨学金延滞84%が年収300万円未満 について考える
奨学金返済に「出世払い制度」創設 について考える
日本学生支援機構:奨学金返還訴訟が急増 について考える
日本学生支援機構:大学の審査を覆して奨学生600人貸与打ち切り について考える
日本学生支援機構:大学の認定覆し、学ばない学生奨学金ストップ について考える
これでも、まだ漏れているものがあるかもしれません。
ちょうど、このブログを始めた頃と、機構が回収を強化し始めた頃とタイミングが合っていたということですね。

その結果、奨学金を返還しないとして、訴えるられる人が、この8年で100倍に増えたそうです。

奨学金返還訴訟、8年で100倍 機構が回収強化」(朝日新聞)という記事から。
佐藤恵子 高浜行人
 奨学金を返さないとして、訴えられる人が急増している。貸した側の日本学生支援機構(旧日本育英会)が2012年度に起こした訴訟は6193件で、8年前の100倍を超えた。借り手の貧困に加え、機構側の回収の強化が背景にある。国も、返済制度の改善に乗り出した。(後略)

貸した側は、回収するために追いかけてくるわけですから、あえて返済猶予の手続きのことなどには触れずに、いきなり訴訟に踏み込むということでしょうか。

「奨学金」というと、お金を貰えるように思ってしまいますが、実際に学生に渡されるものは「債務」です。「返還しなければならい」という義務です。
これは、勘違いしてはいけないところ。

「そこまでやるなら、民間でやればいいんじゃないの?」という声も聞こえてきそうです。

でも、民間では、そう簡単に学生に学費を貸せないですよね。
高校卒業、就業の経験もなし、技術もない。おそらく資産もない。返済の見込みなんて立てようもありません。
大学生=エリートという時代ではないのです。
保護者に貸すという形をとるにしても、奨学金を借りなければいけない状態なのですから、厳しいことに変わりはありません。

だからこそ、国の支援が必要なんですよね。
民間ではリスクが高すぎて事業化できないことを国の支援でカバーするということ。

しかし、このブログを始めた頃は、国の事業であるがゆえの甘さが指摘され始めた頃でした。

ただ、焦げ付いても国から補填されるから回収が緩かった時代から、とにかく「回収しなければ」という今の姿勢への振り幅が極端すぎやしないでしょうか。

せめて、訴訟に踏み込む前に、状況を確認し、場合によっては返済猶予の手続きを促すことぐらいは必要ではないでしょうか。
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