何かと話題の近大。そして近大マグロ。
東京と大阪に、近大マグロの料理を出す店舗を出店して人気があるようですが、これをもって「事業化に成功」とはいいづらい。
これらのテンポは、アンテナショップというか、研究のアピールという意味合いが強いでしょう。
「
豊田通商、「近大マグロ」をビジネスに 近畿大学と協力、クロマグロの卵から稚魚まで育成」(東洋経済)という記事から。
山田 雄大 :東洋経済 編集局記者
豊田通商は近畿大学との技術協力を拡大し、クロマグロの卵から稚魚まで育てる人工種苗事業に進出する。
近大は2002年に世界で初めて、マグロの成魚を産卵させ、卵を採取し、その卵から育てた成魚を産卵、ふ化させる、循環型の完全養殖に成功した“養殖マグロ“のパイオニアだ。かたや豊田通商は、2010年に近大と技術提携し、長崎県五島市でクロマグロの稚魚から体長30cmほどの幼魚(ヨコワ)まで育てる、中間育成事業を行ってきた。
今回の提携拡大で、豊田通商も、クロマグロ養殖のさらに上流、稚魚育成も手掛けることになる。(後略)
冒頭で触れた店舗「近畿大学水産研究所」のお料理も、なかなかよいお値段ですが、産業化に成功しても、相当な手間がかかっており、そんなに安くはならないということですね。
でも、今後、和食の人気が世界中に広がったていくことは、充分に予測されます。和食でなくても、これまで、マグロを食べる習慣のなかった国でも、グローバル化が広がれば、市場は爆発的に拡大するでしょう。
一方で、すでに警告が出ている状態のようですが、濫獲で漁獲量の制限がますます厳しくなることは十分に予測されます。
そうなると、少々値段が高くても、完全養殖マグロに対するニーズは高まるでしょうから、この先行投資は、大きな利益を生む可能性は十分にありますね。
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