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大学入試の超難問「甚兵衛レベル」とは について考える

入試問題のミスにもいろいろあります。
正答がなかったり、複数の正答が考えられるような問題のミスは、学力のある学生も混乱させてしまい、充分な力を発揮できないという点で、大学にとっても、受験生にとっても、明らかにマイナスになります。

判断が難しいのは、高校の指導要領を逸脱していたり、そんな細かい知識があってどんな意味があるの?というような重箱の隅をつつくよう問題。
「悪問」と呼ばれることもあります。

大学入試の超難問 予備校関係者「甚兵衛レベル」の命名理由」(マイナビニュース)という記事。
(前略)
そんななか、1990年代には早慶など難関私立大で難問・奇問が続発した。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏がその理由を語る。

「増え続ける受験生から合格者を絞りこむために出題された。この種のカルトクイズ級の出題は、“甚兵衛レベル”といわれていました。その理由は学習院大の日本史の問題で、『志賀島で金印を見つけた百姓の名前』を問う問題が出題され、“そこまで聞くか”と予備校関係者を驚かせたこと。この百姓の名前を取ったのです」
(後略)

記事を読むと、難問・奇問が減少したのは、18歳人口が減少期に入り、難問・奇問を出してまで受験生を落とす必要がなくなったからのように見えます。

そうなのでしょうか?

有名な、河合塾の「悪問だらけの大学入試」が出版されたのが2000年だったと思いますが、その頃から、指導要領の範囲外からの出題や、重箱の隅をつつくような知識を問う問題など、大学の入試問題に対する世間の目が厳しくなってきたのではないでしょうか。
それに、大学側が対応してきたからこそ、減ってきたということではないでしょうか。

ただ、私自身は、指導要領の範囲外からの出題でも、重箱の隅をつつくような知識を問う問題でも、条件付きでアリだと思っています。

それは、受験生の何を見たいのかということが問題。

必ずしも正答を知っていなくても、これまでの知識を総動員すれば正答が類推できるような問題もあります。

例えば、「志賀島で金印を見つけた百姓の名前」であれば、選択肢に苗字のある名前があったとすれば、「その時代の百姓に、苗字があったのか?」というところにひっかかるはずです。
「日本を初めて空襲した米軍中佐の名前」は、上記の書籍でもやり玉に挙げられていたかと思いますが、選択肢のひとつに「マッカーサー」がありました。
これも、「日本占領時のGHQ元帥が、戦時中に中佐ということはないだろう」と考えることができます。

もちろん、正答を選ばせるだけでは、受験者がどのように考えて解答を導き出したのかは分かりません。
設問の形式としては「次の選択肢のうち、志賀島で金印を見つけた百姓の名前だと類推できるものを一つ選択し、その理由を述べなさい」となります。
マークシート方式では難しいのですが、これで、いかに背景となる知識を持っているかとともに、いかに論理的に類推したのかを測ることができるのではないでしょうか。

実際、大学に入って必要となる力とは、そういうものなのではないでしょうか。
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