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九州大法学部などAO入試廃止について考える

この10年ほどで、爆発的に広がったAO入試ですが、廃止する大学も増えてきているようです。

「入学後の成績が低い」とか「手間がかかるわりに、入学者が以前と変わらない」といった理由。

学力以外の素養を評価するという狙いはよいと思うのですが、結局、合否を判断するポイントや、入学後の育て方がこれまでと変わらなければ効果が出ないということではないでしょうか。

AO入試、廃止の動き 九大・筑波大など 「成績低い」』(asahi.com)という記事から。
 面接などを重視して合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試について、廃止を含む見直しの動きが国公立大で広がっている。九州大法学部は、通常の学科試験を受けた学生よりも入学後の成績が低い傾向があるとして、2010年度入試から廃止する方針を決定。筑波大や一橋大も一部で廃止を決めた。AO入試を導入する大学は私大も含めて増え続けているが、「学力低下を招く」との批判も出ており、AO入試は転機を迎えつつある。

 AO入試は従来の学科試験と異なり、面接や論文、志望理由書などで受験生の個性や、やる気を判断する制度。九州大は筑波大や東北大などとともに国公立大では初めて00年度に採用した。現在は法、理、医、歯、薬、芸工、農の各学部と21世紀プログラムで実施している。法、薬学部と21世紀プログラム以外では大学入試センター試験の受験も必要だ。

 九大によると、法学部には前・後期試験のほか論文や口頭試問などで選ぶAO入試の3種類があるが、試験別に入学後の成績を比較したところ、AO入試で入学した学生の成績がほかよりも低い傾向にあったという。センター試験を課す学部では目立った差がなく、基礎学力の不足が原因と判断、廃止を決めた。法学部の募集人員は30人。

 九大アドミッションセンターの武谷峻一教授は「導入から約10年で検討の時期に来ている。3種類の入試を実施する煩雑さも理由の一つ」と説明。薬学部はセンター試験を、農学部は小論文を新たに課すなどの変更を検討している。

 筑波大は09年度入試から、国際総合学類のAO入試(筑波大はAC入試と呼ぶ)を廃止する。定員は4人で、筑波大アドミッションセンターは廃止の理由を、「きめ細かく検討して時間をかける割に、他の入試で入った学生と目立った違いがなかったため」とする。

 鳥取大はこれまで工学部8学科のうち7学科で実施していたAO入試を08年度に機械工学など3学科で廃止した。07年度の入学者は3学科で計9人。入試課は「求める人材と入学者が合わない学科があった」と話す。

 一橋大商学部も09年度入試から廃止。学力を確保するため、センター試験などを課す推薦入試を新たに始める。秋田県立大も09年度入試からシステム科学技術学部電子情報システム学科のAO入試をやめる。


AO入試で入学してきた学生と、一般入試で入学してきた学生で、入学後の成績の違いを比較している。まずは、そういったリサーチをしていることは評価できますね。
さすがに、教科入試では志願者が集まらないから、数を確保するためにAOに走っている大学とは違います。

その結果を受けて、「AOを廃止」という判断をしたわけですが、他の選択肢は考えたのでしょうか。
そもそも、これまでの入学者とは違う層を求めた入試なわけですから、入学後の教育が他の入学者と同じでよいというはずはありません。
AOでの入学者に適した教育プログラムを提供できていたのでしょうか。
選択肢としては、「AO入学者を伸ばすプログラムを作る」というのもあったのではないでしょうか。

それも検討した上での判断だったのかもしれません。
予算縮小の中、そんな手間暇のかかることはやっていられないと。
私は、「それでも、やらなければいけない」のではないかと思います。
そして、九州大ぐらいのレベルであれば、それは可能なのではないかと。

今後「多様性が大学の力となる」なんてことは言えなくなってしまいますね。
多様性よりも、画一化による効率を求めてしまったのですから。
社会に出ると、本当に多様な人と関わって生きていくことになりますよ。その中でリーダーとなる人材を育てることができますでしょうか。

ところで余談ですが、またイザがこんな見出しをつけています。
九州大、ゆとり決別…学生の成績悪いAO入試を廃止
AOで入学してきた学生も、前期・後期試験で入学してきた学生も、同じゆとり教育の中で育ってきたんですよ、ってわざわざ指摘しないといけないのでしょうか。
それとも、いわゆる「釣り」?


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