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キャンパス移転に地元の不満続出について考える

先日発表された、東洋大国際地域学部の群馬・板倉キャンパスから都心への移転。
地元にも突然の話であったようで、説明会では不満が続出したそうです。
でも、これでいちばん納得できないのは、在学生でしょう。
地域ももちろん大切だと思いますが、学生の負荷をまず考えていただきたいところです。

東洋大移転に不満続出 板倉キャンパス 地元住民説明会で』(YOMIURI ONLINE)という記事から。
 板倉町の東洋大国際地域学部が来年4月に都内に移転することについて、住民に対する説明会が10日、同町泉野の板倉キャンパスで行われ、住民からは大学への不満の声が相次いだ。

 説明会は町主催で、地元住民や安楽岡一雄館林市長ら市関係者ら約80人が出席。大学側は移転の理由や経緯、残る生命科学部の充実強化に約50億円を投資する構想などを説明して理解を求めた。これに対して、住民側からは、「1、2年生は残せないのか」「県や町が各10億円も補助金を出してきたが、中高一貫校は設置出来ないのか」「医学部や農学部は作れないのか」などの質問が出された。最後に針ヶ谷照夫町長が「今年度中にも大学、県、地元、町が一緒になって協議会を立ち上げ、話し合いの中で(要望を)極力実現出来るようしたい」と締めくくった。

 出席した大学近くの第12区長の武政政雄さん(67)は、「キャンパス開設には地元住民も、町とは別に2億円も寄付して支援した。事前説明は全くなく、大学に対する信頼はなくなった」と話していた。


私が通っていた大学でも、キャンパスが移転したことがあります。
ちょうど私たちが卒業した次の年度に一部の学部が移転したのですが、入学時に「留年したら引っ越さないと」という冗談をよく聞きました。
つまり、4年前(告知機関を考えるともっと前)に移転は決まっていたわけです。

「キャンパスの移転は4年以上前に告知する」
これは、学生の生活を預かる大学として、最低限守っていただきたいところです。

とは言え、大学経営としては、4年も待っていたら、移転どころか学部が存続するかどうかさえ危うくなる、という状況もあるでしょう。しかし、今回のケースは、設立からの期間があまりにも短く、問題は大きいと思います。

この東洋大の移転に限らず、大学が移転するとなると地元には大きな痛手になります。
多くの場合は、補助金を出したり、土地を無償で提供したりしていますので、「地域が支援したお金はどうしてくれるのか」という声は理解できますが、ではそれだけの予算を投資するのに、学生募集の見通しはどこまで吟味されていたのでしょうか。
地域は大学にどこまで関わってきたのでしょうか。
例えば、「学部と地域でこれだけのプロジェクトが走っているのに、今後どうしてくれるんだ?」という話はあまり聞きません。

もちろん、東洋大でも地域での実習やインターンシップなどはされているようですし、大学HPには地域での活動などのページがありますが、あまり更新されておらず、「両者の関係は濃くは無かった」という印象を受けます。

地域に責任を転嫁するつもりはありませんが、地元に大学があるということを、経済的な側面だけで見ているのだとしたら、「学生が集まらないから移転する」という大学側の視点とあまり変わらない気がします。
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