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広島大医学部:学生に武者修行のススメ について考える

周産期医療や救急医療の現場における危機的な状況については、ニュースで話題になることも多く、一般の方々の中にも「医師不足」という認識はあることでしょう。
でも、私たちの目に映ることないのない、これもまた危機的な状況として、「研究医不足」も数年前ぐらいからよく言われるようになってきました。

一般の方々は、医学の研究をしている人は、みんな医師だと思っているかもしれません。
しかし、現在、医師免許を持って、基礎医学研究に従事する方は極めて少なくなっていると聞きます。

医学部生に“武者修行”のススメ…広島大」(YOMIURI ONLINE)という記事から。
 広島大医学部は今年度、学内の施設に限っていた4年生の必修科目「医学研究実習」を国内外の医療、研究機関に広げ、今月から来年1月まで4か月間、“武者修行”に送り出す初の取り組みを始めた。
 診療と研究を両立させる高い意欲を持った医学生に育てる狙いで、107人中21人が有名大学や病院、国際機関などで実技を学ぶ。実習先を自分で探してくる学生もいて、早くも期待を抱かせている。(後略)

研究医を目指す医師が少なくなる背景については、臨床研修などが忙しく研究の準備をする時間が取れないだとか、そもそも研修医になれば給料が得られるのに、研究者になるためにはまた授業料を払って大学院に入らなければならないだとか、いろいろ考えられます。
この間、拡大してきた医学部定員も、地域枠など、臨床医になることが前提になっています。

その中で、この広島大医学部の医学研究実習は、学生の中に、いわゆる「研究マインド」のようなものを内発的に起こさせるといった狙いがあるものと思われます。

実習の期間は、自分が希望した研究一色に染まるわけですから、「自分にこちらの方が向いている」となる学生もいるでしょうし、あるいは「やはり一人ひとりの患者に向かいあっていきたい」と臨床医への志望を強める学生もいるでしょう。

学生たちのその後の進路にどのような影響を及ぼすか、興味深いところです。
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