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鳥取の県立高校で卒業生を指導する専攻科 存続を求める陳情 について考える

仕事で、いろいろな地域の大学、高校にお邪魔する機会がありますが、教育にもその地方ごとに独特のシステムがあったりして、他の地域の者からすると「いったい何?」と思うようなものも多々あります。

「専攻科」「補習科」もその1つで、中四国、九州以外の方は、ほとんどご存じないのではないでしょうか。
簡単に言うと、公立高校が浪人生の面倒を見るシステム。

「補習科」はPTAや同窓会などが運営する形をとっており、学校とは言えませんが、鳥取県に設置されている「専攻科」は、法的な根拠のある教育機関です。

卒業生の受験指導 県議会に継続陳情 県立2高専攻科」(YOMIURI ONLINE)という記事から。
 倉吉東、米子東の県立高2校で浪人生に受験指導を行っている専攻科の存廃問題で、地元の中、西部各地区高校PTA連絡協議会は24日、保護者ら計約2万2000人分の署名を添え、合同で県議会に存続を求める陳情を行った。(後略)

浪人生が多く出ていた時代に、予備校などがない地域で、卒業生に対する指導も高校が請け負うということで開設されたのが、補習科や専攻科。
大学入試が厳しい時代には、補習科に入るのも難しかったという話も聞きます。

本来、専攻科は、「高校の専攻科からの大学編入が可能に について考える」で紹介しているように、専門教育を継続するために設置されたもの。
そういう意味では、鳥取における専攻科というのは、専攻科の主旨からは、ややズレてはいるのでしょう。
しかし、制度化することで、教員の方々の負担などが軽くなっていたのであれば、それはそれで意味のあること。
また、現役生にとっても、専攻科生の存在を意識することで、受験に向けての緊張感があるというもの。

ただ、大学入試そのものが易しくなって、その小さくなっていくパイを、地方にも拡大してきた塾・予備校と奪い合うことになります。
塾・予備校からは、「民業圧迫」だという声も上がっているとのこと。
補習科そのものの運営も厳しくなってきて、他の地域でも、補習科は縮小していく傾向にあります。

しかし、専攻科・補習科を廃止して、塾や予備校に通う浪人が増えたとしても、やはり母校を頼る卒業生は多いのではないでしょうか。

補習科がない地域でも、卒業生が進路指導室に出入りし、一緒に模試を受けたり、そのデータをもとに進路の相談をする学校は多くあります。
そこまで、信頼されている高校、先生というのも、ある意味すごいものだと思います。
先生にとっては、完全にボランティアになるはずですが、それで文句を言う先生は、恐らくいないのでしょうね。
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