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医学部新設、3私立大学が準備 について考える

地方における医師不足が深刻という話題はよく目にします。
これまで抑制されていた医学科の定員が、医師確保の目的のために、少しずつ増やされています。

さらに、民主党は、医学部の定員を1.5倍にするという政策を挙げていました。

これを受けて、しばらく認められていなかった医学部の新設が解禁になる方向で動いていますが、すでに3つの私立大で準備が進んでいるようです。

医学部新設、3私立大が準備 認可なら79年以来』(asahi.com)という記事から。
 医師不足が言われるなか、国内の三つの私立大学が、医学部新設を目指し、準備を進めていることが分かった。設置認可を国に申請する手続きのため、すでに学内に検討組織を立ち上げた大学もある。医学部新設は30年以上なく、認可されれば1979年以来となる。

 医師増員を掲げる民主党は看護コースと病院を持つ大学の医学部新設を後押しするとしており、政権交代で機運が高まったかたちだ。医師養成学部・学科については、自民党政権時代の82年や97年の医学部定員削減の閣議決定を受け、新設の審査は行わない規定になっているが、今後撤廃されるとみられる。設置基準の緩和も進めば、他大学にも動きが広がる可能性がある。(石川智也)

私立大での医学部設置が、現在の医師不足の深刻さを解消することになるのかどうかは、慎重に見ておく必要がありそうです。

記事にあるように、定員80人の医学部設置に200億円弱の建設・設備費用。
当然、運営にも膨大な費用がかかるわけで、学費も相当な金額になります。まあ、私大医学部の学費が高いのは、改めて言うことではないのでしょうが。
このような表現が適切かどうかはわかりませんが、難易度の高い私大ほど学費は低く抑えられており、例えば「慶應大医学部」と聞くと、ものすごくお金がかかりそうなイメージを持つかもしれませんが、実は最も低い部類。それでも、6年間で2000万円ほどかかってしまいます。
そのような高い学費を払ってきた医学生、あるいは高い学費を払える家庭で育ってきた医学生が、果たして卒業後に、一番の課題である「地域医療」に取り組もうという志向を持っているでしょうか。
結果的に、都市部の一部の診療科に医師が偏ってしまうということはないでしょうか。

また、医学部のない都道府県というのはありませんが、県によっては私立の医学部しかないところがあります。
そういった地域をどうするのか、というのも問題です。
国公立大で新たに医学部ということが有り得るのか?
あるいは、別の形で、その地域出身の医学部生を支援するような方法があるのか?

数年前に全国で、薬学部がぽんぽんと新設され、いきなり飽和状態になってしまったことを皆が忘れてしまっているはずがありません。
また、法科大学院の状況もあります。

さすがに、医学部が林立するということはないのでしょうが、なかなかハンドリングの難しい話のように思えます。
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